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2020年6月26日更新

case15「管理形態」|マンション売買そうだんfile

文・友利真由美 (株)エレファントライフ代表
新型コロナウイルスの新規感染者ゼロが続く県内では、少しずつ日常を取り戻す中、マンション市場も動きだしています。マンションを選ぶ上で、地味ながらも実は重要な「管理形態」についてお伝えいたします。

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管理で変わる資産価値

相談内容
複数の中古マンションの中から購入を検討していますが、それぞれ管理形態が違います。管理形態の特徴や気をつける点などが知りたいです。

管理業務を代行する管理会社
エントランスやエレベーターなどの共用施設・設備の維持管理や建物の修繕計画、規約の策定など、マンションの健全な運営に関する業務は、本来なら全戸オーナーで構成される管理組合が行います。しかし組合員である各戸オーナーは管理業務に慣れておらず、また仕事もある中で積極的に関与することが
難しいのが現実です。そこで管理組合に代わり、業務を遂行するのが管理会社です。委託する内容は管理組合によって異なります。


3種類の管理形態
マンションの広告には、その管理形態について「自主管理」「一部委託」「全部委託」のいずれかが明記されています。
自主管理は、管理組合が管理運営業務に関する全てを自主的に行うこと。外部業者に業務を委託しない分、管理費用が抑えられる半面、持ち回りによる共用部分の清掃など組合員の負担が大きくなるほか、理事会の力量によって運営状態が左右されてしまいます。
一部委託は、共用部分の清掃や設備の維持管理といった業務の一部を外部の管理会社に委託すること。委託の比率に応じ、組合員の業務負担は小さくなりますが、自主管理と同じく運営状態が理事会の力量で左右されます。
全部委託とは、管理運営業務を管理会社に全て委託すること。規約制定や決済などの重要事項は、理事会や定期総会での決定を仰ぎますが、それ以外の通常業務は委託された管理会社が行います。管理費用負担がかかる分、組合員の業務負担は大幅に軽減されますし、管理業務に慣れている管理会社に全ての業務を委託するので理事会の力量に関係なく潤滑に運営されるという特徴があります。



自主管理の状況の確認方法
県内の傾向としては、管理を全部委託するマンションが多く、次いで一部委託、自主管理という順になっています。自主管理は築25年以上のマンションでよく見られます。
自主管理の懸念点は、共用施設や設備の維持管理状況、修繕計画や積立資金の状況の二つ。維持管理については実物のエントランスや廊下、駐車場などの清掃状況などから確認できます。修繕計画や積立資金については、不動産会社を通じて「重要事項調査報告書」を入手し、書面で確認することができます。
運営や維持管理に関する業務は、マンションの将来の資産価値に直結します。管理形態や運営状況を、購入前にぜひご確認ください。



 友利の結論 
・マンションの将来の資産価値は管理で決まる
・運営管理業務は多岐にわたり、その業務負担は大きい
・購入前に重要事項調査報告書を入手し管理組合の運営状況を確認しよう
・購入後は、「大事な資産を守る!」という意識で組合活動に参加しよう


ともり・まゆみ  (株)エレファントライフ代表。「沖縄マンション.jp」主宰。不動産専門ファイナンシャルプランナーとして不動産と相続の困ったを解決する日々を送る。 電話098・988・8247

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1799号・2020年6月26日紙面から掲載

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