巻頭特集・企画
2018年2月9日更新
キルトと暮らす
パッチワーク教室を営む伊波ひとみさんは2013年、うるま市に教室兼住宅を建てた。カフェも併設する職住一体の空間でキルトのある暮らしを楽しむ。
巻頭特集・企画
伊波ひとみさん宅&パッチワーク教室&カフェ
見せる職空間
職 白と茶基調 キルトを生かす
まるでそこはキルトのテーマパーク。展示スペース、パッチワーク教室、カフェが一体となった「CHOCOLATEGABLES」には、キルト講師の伊波ひとみさんや生徒の作品、伊波さんが収集したキルトや小道具が所狭しとディスプレーされている。
以前は北谷町の外人住宅で教室を開いていたが、手狭になったことから2013年、うるま市石川に自邸と教室などを一体化した空間を造った。
使う布、縫い方により表現は無限。そんなキルトの魅力を「存分に楽しんでもらえる空間にしたかった」と伊波さん。扉を開けると、ホール右側にあるショーウインドーに目を奪われる=写真1。飾られていたのは、戌年にちなみ犬をモチーフにした作品。クリスマスやひな祭りなど季節を彩るそこは「歩いているだけでワクワクするようなイギリスの街並みをイメージした。『部屋を広くした方がいいんじゃない?』という声もあったけど、譲れなかった」と語る。
「どんな色のキルトでも映えるように」と壁は白、家具や建具はチョコレート色に統一。オリジナルの飾り机や=写真4=照明など、空間を構成するすべてでキルトを生かす。
シンプル住空間
住 掃除しやすく コンパクトに
天井高変えオンオフ
一方、同じ建物内にある伊波さんの自宅は非常にシンプル。書斎から靴のままダイニングキッチンへ入ると、空間はひと続きなのに、気持ちは「オフ」になる。「メリハリをつけるために住空間は天井高を30センチくらい低くしている。落ち着くし、掃除がしやすい」。小さなテーブルを置けばいっぱいのダイニングキッチンと、必要最小限のものしかない寝室で、すっきり暮らす。
空間にメリハリをつけながら、動線は職住回遊型。住居専用の玄関はあえて設けず、書斎からキッチン=写真7、洗面室から倉庫へと出入りする。時間を忘れて作品作りに没頭し、ディスプレーの細部までこだわる伊波さんにとっては「この方が合理的」。
設計・施工を手掛けた徳山建設の大城昌人設計部長は「伊波さんは、間取りや使いたい建材の要望がしっかりしていた。私は、要望と予算のすり合わせや法律との照らし合わせなどのサポートを行った」と話した。
(作品・伊波ひとみ)
パッチワーク教室&カフェ CHOCOLATE GABLES
沖縄県うるま市石川伊波852-2(地図)
098-989-7555
見学時間は午前10時~午後4時
(火・木・金曜日は午後8時まで。日・月曜日定休)
https://goo.gl/maps/E4Tkvjcq4Tw
<設計・施工>
徳山建設
098-933-2908
撮影/矢嶋健吾 編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1675号・2018年2月9日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
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- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。