1階全体が一つに 友人を招きやすく|(株)タカラ住建|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

お住まい拝見

2016年3月25日更新

1階全体が一つに 友人を招きやすく|(株)タカラ住建

新垣さん(40)宅は沖縄県那覇市真嘉比の住宅街にある、鉄筋コンクリート(RC)造2階建て。
LDKと和室、コートが一体的に使える1階は、吹き抜けもあり開放的。多くの人を招きながら、夫婦と息子3人(8歳、5歳、3歳)がにぎやかに暮らす。

子供の世話と家事並行

新垣さん宅 RC造/自由設計/家族5人


吹き抜けが印象的な約18畳の1階LDK。左手には4・5畳の和室とコートがあり、LDKと一体的に使える


スーパーや小中学校、モノレール駅など、生活に便利な区画整理地に建つ新垣さん宅。外観はコンクリート打ち放し、内装は打ち放しとクロスを織り交ぜた空間になっている。1階はLDKと和室、2階に寝室と子ども室がある。

玄関を抜けるとすぐに広がるLDKは、天井高2・7メートルのダイニングや、リビングの吹き抜けで開放的。隣接する和室のほか、外のコートともつながり、一体的に使える。

友人や親戚を招くことが多い新垣さんは「夏場は毎週のようにバーベキュー。多いときには30人ほど集まったけれど、窮屈さは感じなかった」と話し、1階全体が一つの空間になる造りを喜ぶ。

夫人(41)のお気に入りはキッチン。背後に洗面室と浴室、物干し場がまとまっており、「子供をお風呂に入れながら、キッチンでの作業もしやすい」と使い勝手の良さを実感。キッチンからコートで遊ぶ子どもたちが見えるだけでなく、吹き抜けを通して2階の様子が分かることにも満足しているという。
 


将来的な地価も考慮

もともとアパートに住んでいた一家は、三男ができたときに家づくりを決意。「マンションにするか迷ったけれど、男の子3人の足音などで気を使わなくてもいい一戸建てにした」と新垣さん。土地選びは利便性だけでなく、万が一手放すことになった場合の将来的な地価の安定性も考慮した。

シンプルなRC造の打ち放し仕上げにしたかった新垣さんは、設計事務所なども回った末、プランやコスト面でマッチした建築会社に依頼した。

プランニングの担当者は打ち放し部分は生かしつつ、アクセントクロスも取り入れたメリハリのある内装を提案。「リゾートホテルのような雰囲気になった」と夫婦は喜ぶ。

長男は「弟たちとたたかいごっこをして遊ぶ。ブロックも前より大きなものを作るよ」と話し、兄弟仲良く伸び伸び過ごす。
コートの一角でトマトやバジルなどを育てる新垣さん一家。収穫した野菜を食べながら、仲間たちと集う日を楽しみにしている。

1階ダイニング。梁(はり)にかからない部分を掘り込むことで、2.7メートルの天井高を確保した。キッチンからはコートまで見渡せる​


テレビ台がなくスッキリしたリビング。デッキ類や、雑多な印象になりがちな配線類は階段下に収まっている



2階子ども室。子どもの成長に応じて、奥と手前で2分割できるようになっている


キッチン。ヒヌカン置き場の緑の琉球ガラスがアクセントになっている。長男が奥のいすに座り、料理を手伝うことも


外観。スリットやルーバーで前面道路からの視線を遮る


打ち放しの壁と障子がマッチした和室。左手の押入れは将来的に仏壇を入れる予定のため、流し込みではなく木材で仕切っている

 

ここがポイント
細長い滑り出し窓光風入れ視線遮る

新垣さん宅は、東に3階建てのアパートがあり、南北にも住宅が建つ可能性があった。 そこでプランニングを担当した㈱タカラ住建取締役の松田かほる営業部長は、外からの視線を遮りつつ開放的な集いの場を設けるため、南東に約2㍍の塀で囲んだコートを配置。南北の窓はスリット状の滑り出し窓にしただけでなく、すりガラスを採用した。
「外からの視線を気にせず窓を開け放すことができ、光と風も入ってくる」と松田部長。

「予算内で打ち放し仕上げにしたい」という新垣さんの要望にできるだけ沿うように内装も一工夫。躯体の打ち放しの部分は生かしつつ、間仕切りなどには木材を使いアクセントクロスで仕上げた。建材の卸元であることも、コストを抑えるのに一役買った。

LDKは吹き抜けで開放感を演出。人が集まりやすいよう、和室との間にはあえて引き戸を設けず、1階全体を一続きに使えるようにした。さらに、テレビは壁掛け、DVDデッキなどの機材や配線類は階段下や壁内に収めることで空間がより広く活用でき、スッキリした印象になった。

現場監理を担当した呉屋邦博常務取締役が特に気を使ったのはサッシ部分。「一般的に窓の周りには額縁を設けるが、新垣邸では躯体に直接サッシを取り付けたため、収まり具合に精度の高さが求められた」と呉屋常務。建具も躯体との隙間が分からないほど、見栄え良く仕上がっている。


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:137.48㎡(約41.58坪)
1階床面積:63.18㎡(約19.11坪)
2階床面積:58.45㎡(約17.68坪)
建ぺい率:48.24%(許容60%)
容積率:88.48%(許容200%)
用途地域:第一種住居地域・第二種中高 層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造
設 計:一級建築士事務所FAD(エフ エーディ) 田港
構 造:パス建築研究室 新川
施 工:(株)タカラ住建 呉屋
電 気:新興電気 新嘉喜
水 道:㈲龍設備工業 長田
キッチン:LIXIL      宜野座

[設計・問い合わせ先]
㈱タカラ住建  
098・856・0002
http://www.takara‐jyuuken.com
写 真/比嘉秀明撮影
編 集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1577号・2016年3月25日紙面から掲載



 

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2122

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る