天井高く自然光を取り込む｜風が流れ湿気知らず

高台からの眺望生かす

南東に向かって下る斜面の高台に位置し、リビングルームからは平家とは思えないほどの景色が広がる。対面式のアイランドキッチンに立つ夫人は「家事をしながらも眺めがいい」とニッコリ。Kさんも「4カ所の花火大会が自宅から見える」とうれしそうだ。
かねてから「家を建てたい」と、土地探しをしていた夫妻。２年の歳月をかけて、希望していた互いの職場の中間地点に土地を見つけ、念願だったマイホームの夢をかなえた。
土地を探しながら、北は名護市の屋我地島から、南は南城市奥武島まで多くの住宅完成見学会に足を運び、住宅情報紙から事例を集め、イメージを明確にしていった。設計・施工は、数ある住宅展示場を訪れた中でも、Ｋさんのイメージや好みに合う住宅を多く施工していた徳里産業に依頼した。構造は鉄筋コクリート壁式構造を採用。夫人は同社の展示会場で、「悪天候で終了間近にもかかわらず丁寧に対応をしてくれた」と振り返る。
Kさんは「自分たちの希望を形にしてくれ、修正にも細やかに対応してもらい納得のいく家になった」と満足気だ。



開放感のあるリビングルーム。ハイサイドライトからの自然光で、明るい　


窓側からリビングルーム、キッチンを望む。左側に寝室、洗面などの水回り。右に和室と納戸を配置


風が流れ湿気知らず

急な来客でも安心

動線に回遊性を持たせる

家の中の生活動線に回遊性を持たせることをこだわった。「来客時に、リビングルームを通らずに寝室から洗面室やキッチンに抜けることができるので便利」とその良さを実感している様子だ。また玄関からはリビングと和室に入る扉が分かれており、生活空間を見せずに直接客間である和室に通すことができ、急な来客にも対応できる。

たっぷり収納すっきり室内

夫妻は「うちは物が多くて」と口をそろえる。そのため、収納は充実の大容量だ。
歩いて入れる玄関脇のシューズクロークには、夫妻のゴルフセットもしっかりと収まる。キッチン横には勝手口がある３畳強の広さの納戸や、寝室のウオークインクローゼット、和室には観音開きの押し入れとガラス戸付きの収納棚を作り付けた。車２台分の屋根付きガレージは、倉庫の役割も果たしている。
リビングルームは４メートルの天井高を確保し、ハイサイドライトを設置。開放感があり、昼間は電気をつけなくても読書ができるほど明るい。また浴室の窓を開け放てるように外壁で目隠したり、格子状のアルミ製雨戸を設置し、安全面と風通しを確保した。湿気がこもらないので、心地いい居住空間になった。

斜面解消でプラン変更

購入した当初、土地の一部に斜面があった。そのため設計プランも庭に段差があり、駐車場も半地下だった。しかし隣接する土地の開発で造成された結果、その斜面が解消され、大きくプランを変更、現在の姿となる。
同社の営業担当者も「１年たって、快適に過ごしていただいているようで、うれしいです」と笑顔。「湿気対策として竹炭を使うことを提案し、瓦屋根以外には断熱対策として断熱塗料を採用してもらった」と話す。
「住み心地も良く満足しています」とＫさん。「書斎スペースに机を入れ、庭はこれから好きな木を植える」と、この家で時間を重ねていくことを楽しみにしているようだ。


掘りごたつのある和室。夫人が三線の練習をしたり、来客時には客間として使う


風呂場の窓は年中開けておけるようにと、ガラスブロックで目隠しをし、外壁の側面にスリットを入れ空気が流れるようにした


駐車場も広く確保し、自然と家族や友人が訪ねてくる。


DATA
家族構成：夫婦2人
敷地面積：396.69平方メートル（119.99坪）
床面積　：140.89平方メートル（42.61坪）
躯体構造：鉄筋コンクリート壁式構造
用途地域：未指定地域　
設計施工：（株）徳里産業

 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1669号・2017年12月29日紙面から掲載