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2017年4月21日更新

憧れのスペイン瓦と南欧風の白い家|(有)K・でざいん

那覇市の住宅街、築41年の2世帯を建て替えたAさん一家。植物が大好きという夫人の意向をくんだ南欧風の住まいは、花いっぱいの庭から家中に心地よい風が通り抜ける。

Aさん宅
RC造/自由設計/家族4人

K・でざいん|お住まい拝見
外観。スペイン瓦や外壁のアーチ、アイアンのフェンスが、夫人憧れの南欧風の住まいを演出する。玄関先や塀からのぞく草花が道行く人の目を和ませる

 

家も気持ちもオープン

カスミソウにマーガレット、アネモネ、キンギョソウなど色とりどりの季節の花々が、アプローチや庭先で出迎えてくれるAさん宅。「どれも種から植えたり挿し木で増やしたものばかりで、花類だけで80種類以上。子ども連れのお母さんがお花を見たいと訪ねて来てくれることもあるの」と、夫人は話し出したら止まらないほどの花好きだ。

これまでも鉢植えで草花を育てていたが、「庭らしい庭はなかった」という以前の家は、1975年の海洋博前後の頃に建てた2階建てのコンクリート住宅。Aさんいわく「20年前に塗装し直したものの、塩害でスラブも爆裂するなどひどかった」。1階に母親、2階にAさん世帯が暮らす2世帯住宅だったが、「高齢なので一緒に暮らした方が何かと様子も分かってお互い安心」と同居型へ建て替えることにした。



キッチン側から庭方向を見る。LDと和室は、来客の際や空調を使う際につり下げ式の間仕切りで仕切ることが可能。空気層のあるポリカーボネイトを使っているため、断熱性に優れガラスに比べて軽い上、孫たちがぶつかってもケガの心配もない。和室の障子も同素材で造作しており、張り替え不要



アプローチ。足元に敷き詰めたタイルや壁の白が、色とりどりの草花を引き立て、来客を出迎えてくれる。庭との間を仕切る木塀も温かみのある印象。アプローチから直接庭へ出入りでき、作業もスムーズだ

 

空気よどまぬ住まい

「スペイン瓦がのった白い南欧風の家に憧れていた」という夫人。夫婦でドライブがてら出掛けた折、たまたま見かけた家が「イメージにピッタリ!」と思い切って家主に声をかけて、建築士を紹介してもらった。

Aさんがこだわったのは「空気がよどまない、明るく風通しのいい住まい」。その希望通り、完成した住まいは広い庭に面したLDKと和室がワンルームのようにつながり、風通しも抜群だ。「以前は部屋が細切れだったので暗くて風通しも悪かった。同じスペースでもオープンだと明るくて気持ちがいいし、子どもたちが遊びに来るときなど使い勝手もいい」と快適さを実感。夏はリビング、冬は和室のこたつがAさんのくつろぎスペースだ。「前は収納がなく散らかりがちだった」ため収納もたっぷり。家電類もスッキリ収まるよう、サイズに合わせ置き場を細かく調整した。

夫人が希望したのは、もちろんガーデニングが楽しめる庭。「こんなに広くとれると思っていなかったから、うれしくて! 草むしりも楽しいから5、6時間はあっという間」。そんな夫人の様子に「建てたかいがあった」と笑うAさん。

「ダイニングに腰かけて庭を眺めていると、しみじみ幸せだなぁと思うんです。心も広く明るくなったよう!」と夫婦は満面の笑みを見せた。


ここがポイント

坪庭とバルコニー
明るく風通し良く

敷地は南部の昔ながらの住宅街の一角。「東側2軒隣に4階建ての集合住宅があったため、2階の個室はルーバーで緩やかに目隠ししたものの、それ以外は基本的にオープンな造りとし、明るくて風通しのいい、庭との一体感が感じられる住まいを目指した」と建築士の金城傑さん。

まず前面道路のある南に庭を設け、その庭に向けてLDKと和室を配置。1階室内は水回りと母親の寝室以外はワンルームのように一続きに使えるようにすることで、どこにいても庭が眺められる、明るく開放的な造りになっている。

採光通風の面でポイントになっているのは、随所に設けた坪庭やバルコニーだ。「いくら大きな窓を設けても抜ける場所がなければ風は通らない。Aさん宅では1階のキッチンと浴室に面する西側に坪庭を設置。その坪庭に向けジャロジーを設置することで、採光と通風を確保しました。北側の勝手口も上げ下げ窓にして風通しを促しています」と説明。2階は暗くなりがちなフロア中央部に夫婦の寝室があるが、南北にバルコニーを設けることで解決。「特に南側は天窓にし、光を取り込みつつ雨でも窓を開けられるようにしました」。

西日よけを兼ねた階段も採光に一役。1・2階とも階段手すりはフレームのみにすることで、2階の西・北の窓から取り込んだ光が、1階のキッチンやダイニングまで届く仕掛けとした。



和室からテラス越しに見た庭。外塀にスリットを入れ、アイアンのフェンスを組み合わせたことで視線が抜け、奥行きを演出。日当たりや風通しが良くなる効果も。通りに対する圧迫感も軽減されている。前面道路の向かいもAさん宅の敷地で、庭に入りきらない鉢植えがズラリ


階段。建物の西側に設けたことで、夏の西日よけと階下にあるキッチンへ光を届ける役割を果たす/写真左。2階廊下から見たバルコニー。トップライトの効果で右手にある夫婦の寝室も明るく、風も抜ける/写真右


キッチン。正面の坪庭側に設けたジャロジーへ風が抜け、「夏でも暑くない」と夫人​



[DATA]
家族構成 :夫婦、子ども1人、母
敷地面積 :209.70平方メートル(約63.4坪)
1階床面積:102.66平方メートル(約31坪)
2階床面積:91.80平方メートル(約27.8坪)
建ぺい率 :52.7%(許容60%)
容 積 率:92.7%(許容160%)
用途地域 :第一種中高層専用地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート造ラーメン構造
設  計 :(有)K・でざいん 金城傑
構  造 :パス建築研究室
施  工 :(有)セイシン住興
電  気 :(有)嶺技研
水  道 :(有)大晧設備


[問い合わせ先]
(有)K・でざいん
098-835-5518
http://kdesign.main.jp/


写真/比嘉秀明 編集/徳正美
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1633号・2017年4月21日紙面から掲載

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