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2016年7月1日更新

沖縄の建築士の事務所を拝見「Croton建築設計事務所」|建築士の日

快適な住環境を生み出すプロである建築士。それぞれの事務所や自ら設計した自邸には、建築で大事にしていること、家づくりや空間使いのヒントが詰まっている。事務所の工夫とアイデアの源を紹介する。

手動かしリアルなモノ作り



下地洋平さん、玉城盛太さん/Croton(クロトン)建築設計事務所​
新築はもちろん、住宅や店舗など中古物件の活用にも力を入れているクロトン建築設計事務所(浦添市)。国道330号沿い、窓が連なる濃いオレンジ色の建物2階が事務所だ。「ここは以前レストランだった所。フロアごと借りてコンバージョン(用途変更)し、改装しました」と取締役の下地洋平さん(39)。



こだわりは、「立ち上がったらすべてが見渡せるオープンな雰囲気」。室内は個室の壁を取り払い大きなワンルームに。市販の棚をパーティション代わりに配置し、デスクスペースとミーティングスペースを緩やかに仕切っている。所員の玉城盛太さん(37)いわく「今もバージョンアップしている真っ最中」。最近もミーティングスペースにホワイトボードを設置し、すぐ脇にはキッズスペースも手作りした。



下地さんは、「図面だけを引いているとリアリティーに欠ける提案に走りがち。実際に作業を手掛けることで、実感を伴ったモノづくりにつながっている」と説明。また「作る際は必ず皆で話し合うため、コミュニケーションにも一役買っている」という。



家づくりの際も極力DIYを取り入れるという玉城さん。「僕らと壁を塗ったり本棚を作ったのを機に、日曜大工にハマるお施主さんもいたりして」と笑顔。手を動かすことで、その後のメンテナンスを意識づけたり、手を掛け住まいと暮らしを楽しむきっかけになればと考えてのことだ。

事務所は「いろいろなことを試すラボのようなもの」と下地さん。玉城さんは「新築だけでなくリノベーションやコンバージョン、店舗まで幅広く手掛けていることで、選択肢やアイデアも広がる」と話した。



<写真キャプション>
・ミーティングスペースから見た事務所。市販の棚に背板を貼り付け間仕切りとして活用している。オーナーの意向で大きく手を加えられなかったことから、左手のカウンターはそのまま生かしてウエイティングスペースに。ピンクに塗ったベニヤの目隠しボードは掲示板にもなる。カウンター裏や茶色い壁で仕切られた厨房は、コピー機や資料を収めバックヤード的に活用/写真①
・下地さん(右)と玉城さん。お勧め本について語り合う読書会を開いたり、お菓子の家づくりやまちあるきなどのワークショップも、施主との価値観共有に一役買っているという/写真②
・窓際にある明るいキッズスペース。角が取られ丸みを帯びた積み木などの遊び道具は所員の手作り。これから色を塗る予定/写真③
・ミーティングスペース。テレビの縁には額縁状のシールを貼るなど、遊び心を散りばめて/写真④
・ラベンダーと白で仕上げたトイレは女性所員たち「DIY女子部」によるもの/写真⑤​

編 集/徳正美
『週刊タイムス住宅新聞』建築士の日 第1591号・2016年7月1日掲載

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