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2019年12月27日更新

家族の関係づくりにも一役|ママが笑顔になる家づくり[7]

文・松田まり子(建築士)

室内窓のススメ

部屋と部屋の間に設けた室内窓。子どもの自立心と親の見守りたい気持ちを両方大切にできる


換気、通風、子どもにも目が届く
メリット多い室内窓

「がっっしゃあん。ママ~!来て!」「さあ、今度は何が起こった?」

小さなお子さまと過ごす日常では、毎日どこかで事件が起こっています。そして、まるで刑事のように家中をママが走り回る風景が巡ります。たどり着いた現場の状況に、ため息を漏らしたくなることも少なくないでしょう。

住宅の設計時によく依頼される要望の一つに、子どもが遊んでいるのが見えるようにしたい。子どもが目の届く範囲で動けるようにしたい、ということがあります。

対面式キッチンなどオープンな空間ももちろん効果的ですが、もう一つオススメしたいのは、室内に設ける窓です。病院や学校、スタジオなどでもよく見かける窓です=写真1参照。

窓というと室内と外の境界に設けるのが一般的ですが、外の景色を見るための窓と同じように、別の室内を見るために、さらには空気や風を取り込んだり、と多くのメリットがあります。


換気や通風も可能
ガラス扉、障子付きでも効果

子ども室や寝室が個室化されていると、窓がどうしても1方向にしか設けられないことがあります。実は、窓は1方向からでは残念ながら、ほとんど風は入ってきません。入り口だけがあっても出口がなければ空気は流れないのです=2、3。扉が、開き戸であればなおさらです。

そんな時も室内窓があれば、他の部屋を介して換気や通風も促すことができます。必ずしも開いている必要はありません。ガラス扉、障子を取り付けても気密性が低いので、効果があります。気密性の高い開き戸だと空気が流れないと先述しましたが、ドアの下部をカットしたり、引き戸なら空気は流れ、換気の効果もあります=4。

外部からの風の出入り口の計画もとても大切ですが、室内間の空気の流れを意識して考えるとプランも充実することがよくあります。


どんなに外部で風が吹いていても、大開口があったとしても、一方向にしか窓がないと風は住宅の中を通り抜けない


玄関戸を開けると風は通り抜けるが、窓を開けても風はあまり入ってこない。室内窓を設けると通り抜ける風量は増える


物の受け渡しや会話にも重宝
遊び心も取り入れて

空気のよどみのない部屋で、健康的に家族同士の良い距離を保つ方法としても一つの解決策につながるかと思います。

部屋のドアは開けずに、物を渡したり受け取ったり、そんな中で会話ややりとりにつながり家族の関係つくりに貢献できるかもしれません。

子どもだけでなく、大人も「はい、ひょっこりはん」とのぞけるような、そんな遊び心を取り込んだ室内窓で、子供の成長を見守りつつ、ママの笑顔が少しでも増えますように。



執筆者

まつだ・まりこ
1977年、那覇市出身。1級建築士。東京・県内設計事務所をへてNPO蒸暑地域住まいの研究会理事長に。省エネ住宅の普及や県内戸建て住宅の環境調査・公園内茅葺建築・病院関連施設等に携わる。2019年、松田まり子建築設計事務所設立。098‐871‐3122

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1773号・2019年12月27日紙面から掲載

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