企業・ひとの取り組み
2017年1月7日更新
高い技術で曲線も|中部たたみ店
沖縄市にある中部たたみ店、1級技能士、新城忍さん(40)は、高度な技術を持つ人が受ける「全技連マイスター」認定者。その新城さんに、近年インテリアとしても人気な畳について話を聞いた。
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職人の確かな技光る
マイスターの認定証を手に新城さん
新城さんが(社)全国技能士会連合会の「全技連マイスターに認定されたのは2016年9月。45歳以上という年齢条件があるが、高度な技術はもちろんのこと、若手育成や同会に協力してきた活動が評価され、特例での認定となった。
新城さんは、難易度の高い特殊な形の畳製作を得意とする。学生のころから実家の畳屋を手伝い、03年に独立。縁なしタイプや、縁なしの曲線タイプ(写真)、柱の角に合わせ切り込みを入れたタイプの畳にいち早く取り組んできた。特に曲線の畳は、「ちょっとした加減でイ草の形が崩れたり、曲線の角度がずれるため、非常に難しい」と話す。その日の気温・湿度からイ草の状態を見極め、折り曲げるタイミングを判断する熟練した経験が必要となる。
沖縄にはビーグと呼ばれるイ草があり、昔からなじみが深い。防音や断熱、乾湿の調整機能もあり、その魅力は近年見直されている。同店では、モダンな印象のカラー畳や、フローリングの上に敷くタイプの注文が増えているとのこと。
「畳の上に座って、細かく割れたイ草が服に付くようになったら表替えのサイン」と新城さん。表替えによって息を吹き返し、長く使えるのも畳の良さ。また、こうした専門店があることも心強い。
縁なしタイプの曲線がピッタリと収まり、まさに職人技(同店提供)
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冬の畳オススメお手入れ
乾湿を調整する機能がある畳。乾燥が続くとイ草がよれて、畳表の目にすき間ができることがある。これは畳が乾燥し過ぎている状態。そんな時は水ぶきをして、イ草に水分を含ませよう(通常の手入れは、基本的に乾拭きを行う)。
季刊紙 Senior wave (シニアウェーブ秋号)第5号 2017年1月7日紙面から掲載
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