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沖縄建築賞

2020年1月3日更新

From沖縄建築賞[12]新・審査委員長 古谷誠章氏に聞く「沖縄建築賞」

県内の優れた建造物・建築士を表彰する沖縄建築賞(主催・同実行委員会)。その新しい審査委員長が、建築家で早稲田大学教授、(有)ナスカ代表取締役の古谷誠章氏に決まった。古谷氏が感じる沖縄建築のイメージや、同賞の意義などについて聞いた。

ふるや・のぶあき/1955年、東京都生まれ。1級建築士。1980年、早稲田大学大学院修了。97年から同大学理工学部(現・創造理工学部)教授。94年にNASCA設立、(有)ナスカ代表取締役に。日本建築学会賞や日本建築大賞、日本芸術院賞など数々の賞を受賞。2017年~19年、日本建築学会会長。


風土と対話し 交流の機会に

―設計する上で大切にしていることは?

風土が育んできたものと、新しくつくるものが混然一体となって、空間としての魅力を持つようにすること。

その風土の中で暮らす人たちが本当に望んでいるものは何かを聞き出し、見極めるために、例えば公共建築では、市民参加型のワークショップを開きます。また風土を知るために、その土地に行き、そこで育った「フード」(食べ物)を食べるようにもしています。


―沖縄との関わりと沖縄建築に対するイメージは?

20年ほど前から講演や調査などで訪れており、近年では那覇市の新市民会館のコンペの審査員も務めました。

沖縄建築のイメージは、名護市庁舎、今帰仁村の公民館、ホテルムーンビーチなど、風土から触発されることによる、モダニズムだけど開放的で、環境と対話しているような建築のあり方だという印象を受けます。

住宅は、コンクリート造の集合的な美しさがいい。特に規格住宅の少ない住宅街では、スイスの石積みの民家とも共通するような家並みのたたずまいを感じます。


―沖縄建築賞の意義とは?

地域名を冠した建築賞は、その地域の風土を設計者がどう捉えるかがポイント。長い年月で培われた通底する部分はあるにせよ、いかに個性的に風土と対話するかが大切になります。

しかし、一人で自問自答しているときは固まったものになっていきがちです。

賞の意義があるとすれば、同じ風土に対しての異なる対話方法を設計者が互いに見聞きし、言葉を交わし、考え方やアイデアを交換することだと思います。それによって刺激を受け、ヒントをもらい、深い議論を交わしたりと、交流の機会が生み出されればいいですね。地域の建築を向上させるきっかけにもなるはずです。

審査委員長を務めるからには、たとえ落選しても「応募したかいがあった」と思えるような賞にしたい。

沖縄という風土をどう生かすか、ないものをどう作り出すかに興味があります。 どんな作品でもいいので、

設計者ならではのテーマを持った、施主・敷地・設計者の間にシナジー(相乗効果)が働いているような作品を期待しています。


古谷氏が設計を手掛けた作品の例


「小布施町立図書館 まちとしょテラソ」(長野県)/町内外の人々や情報の交流拠点となるよう、間仕切りを最小限にとどめ、全体をひとつながりの空間とした


「宿毛まちのえき林邸」(高知県)/築130年ほどの民家を改修して住民の交流施設、カフェにした


「阿久根市民交流センター 風テラスあくね」(鹿児島県)/自然光が入るホールで開放感があり、ロビーの延長として日常的に使える


第6回沖縄建築賞
2月中旬から募集開始予定

第6回沖縄建築賞の応募受け付けが、2020年2月中旬から始まる予定だ。正賞には賞金20万円と盾が贈られる。募集要項の詳細は追ってタイムス住宅新聞社のウェブマガジンにアップする。
問い合わせは、同実行委員会事務局(電話=098-862-1155、タイムス住宅新聞社内、担当/当真、仲本)。
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1774号・2020年1月3日紙面から掲載

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