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2018年10月5日更新
交通整備で 高まる期待[浦添市前田1丁目~3丁目]
[歩いて見つけた!地域の住み心地ー25ー]モノレール延伸で浦添市前田1丁目~3丁目には、新たな駅が二つできる。「浦添前田駅」と「てだこ浦西駅」だ。浦添城跡を生かした観光交流施設、県内ではおもろまち駅に次ぐ駅前整備など、モノレール駅を核としたまちづくりの期待が高まっている。一方で、地価はピーク値と言われるほど上昇しており、整備後に地価が下がった時を考え、「土地活用は慎重に」と大平不動産(株)の石川清麿さんは話す。
地価ピーク 活用は慎重に
姿現す延伸ルート
2019年の夏に開通を予定している「ゆいレール」延伸ルート。新4駅のうち、3駅が浦添市前田・経塚にあり、ことし8月頃には駅舎の姿がすっかり見えるようになった。レール整備も進み、日に日にその姿を現しつつある。特に前田1丁目と2丁目の境、浦添警察署近くの「浦添前田駅」と、首里駅に代わって新たな終着駅となる前田3丁目の「てだこ浦西駅」の2駅では、交通広場などの駅前整備が計画されるなど、モノレール駅を核としたまちづくりの期待が高まっている。
浦添前田駅周辺ではせわしなく重機が行き交い、道路拡張工事も進んでいる。駅北側に浦添城跡公園があることから、首里駅と同じように、歴史観光での集客が見込まれていて、観光交流施設の計画があるという。
一方、てだこ浦西駅周辺では、車を止めてモノレールに乗り換えるための「パークアンドライド駐車場」が整備されるほか、スポーツアリーナやマンション建設の計画もあるのだそう。おもろまち駅のように、駅と一体となったまちが出来上がりそうだ。
需要あるも物件少なめ
那覇のベッドタウンとも言われる浦添市。前田地区の周辺には市の公共施設や大型スーパーなどが多くあり、「賃貸でもファミリー向けの部屋を探す方が多い」と話すのは、大平不動産㈱の取締役営業部長の石川清麿さん。「3LDKなどの需要は高いものの物件が少ない。2LDKの物件は多め」。ほとんどが駐車場付きだ。家賃相場は「ワンルームや1Kが月3万~4万円。1LDK・2LDKは5万~6万円で、どちらもだいたい15~16坪の広さがある。3LDKは6万円以上。広さによるが8万円台の物件もある」という。
土地の相場は、「県道38号線沿線で、坪当たり70万円以上。売りにでることはあまりない」と石川さん。土地開発の影響だけでなく、県全体の地価が上昇していることもあり、「地価は今がピーク値だと思う。建築単価も高騰しているので、土地活用で賃貸物件を建てるのは費用がかさむ。今後、地価が落ち着きを見せた時に貸主だけでなく、借り手の負担も大きくなる可能性がある。土地の売買も含め、活用は慎重に」と注意を促した。
【1】浦添城跡公園から前田2丁目方面を望む。前田トンネルからレールがゆるやかに下り、浦添警察署前の交差点で大きくカーブする。写真左に見える駅舎が浦添前田駅。写真中央に赤瓦の前田小学校が見える。その奥手にあるのは沖縄国際センター
←やーるん
起伏のある地形で、レールがうねうね曲がって大きなヘビみたい。どんなまちになるか楽しみだるん♪
【2】浦添前田駅。取材当日にはレール点検車両が通る光景も見られた。周辺には新築アパートなども
【3】てだこ浦西駅周辺の開発地を望む。写真手前側では道路整備の様子が見え、右側に見える開けた場所が公共交通の結節点となる予定
◆エリアマップ◆
校区
前田1丁目~3丁目の小学校は前田小学校。中学校は浦添中学校、または浦西中学校
家賃
ワンルームや1Kが月3万~4万円。1LDK、2LDKは5万~6万円。3LDKは6万~8万円台
土地の価格
県道38号沿道は坪当たり70万円以上。売りにでることはあまりない
浦添市前田の賃貸物件
小学校近くの3DK
大平不動産の石川さんが薦めるのは前田小学校まで徒歩5分の3DKのアパート。「子育て世帯にピッタリ。駐車場1台分が無料です」。500メートルほど先にはスーパーがあり買い物もしやすい。家賃は共益費込みで月5万6000円。問い合わせは同社(電話=098-876-1230)まで。
他駅と違う外観「てだこ浦西駅」
てだこ浦西駅は通常の「ゆいレール」駅とは見た目が違う。ドーム状でガラスの窓を多用し、明るく開放感のある駅舎になっている。てだこ浦西駅周辺は西原町徳佐田も区画整理される予定で、農地が住宅地や商業地に変わっていく予定だ。
※やーるんは、タイムス住宅新聞社のゆるキャラ。
編集/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1709号・2018年10月5日紙面から掲載