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2016年7月15日更新

自然に寄り添う 先輩の背に学ぶ|楽しい!ものづくり 沖縄未来建築塾2016より④

建築家の育成を目的に、6月30日から「沖縄未来建築塾」が始まった。建築を専修する学生や建築会社の若手社員ら約30人が「知識を深めたい」と参加。初回は、琉球大学工学部教授の小倉暢之氏、㈱デザインネットワーク代表の島田潤氏、㈱国建名誉会長の國場幸房氏が登壇し、自然に寄り添い心地よく暮らす工夫を語った。塾生らは話に聞き入り、先輩の前で感想を述べた。


國場さん(左)の話に聞き入る塾生たち

◆世界の亜熱帯建築 小倉暢之氏

沖縄は気温、湿度的にも厳しい場所にある。建築設計に関し、東京のコピーでは具合が悪い。
手本になるのは沖縄とほぼ同緯度である東アフリカのバンガロー式住宅。深い庇とベランダで強い日差しを防ぎ、高い床で地面の湿気、虫や動物の侵入を防ぐ。居室は一列に配置し、通風を最大限に確保している。
バンガロー式住宅は西洋の近代建築に大きな影響を与えた。沖縄民政府時代のものづくりも、バンガロー式住宅を参考にした「熱帯近代建築」の流れに乗っていた。アジアやアフリカの建築には沖縄で活かせるヒントがある。若い皆さんには、世界のさまざまな地域に目を向けてほしい。

◆光と風 そして風土 島田潤氏

パオロ・ソレリが提唱した自然と寄り添う建築「アーコロジー」(アーキテクチャー+エコロジー)に感銘を受けた。建物、そして暮らしは、自然と仲良くしなくてはならない。
沖縄の気候風土の中で、心地よく住まう建物の形として私が提案するのは「コンクリートの中に木造を創る」こと。台風に強く耐久性のあるコンクリートと、自由度が高く温かみのある木造の「ハイブリッド」な住まいだ。
ひんぷん、アマハジなど昔の住まいには先人の知恵が詰まっている。それを現代の技術や建材でどう生かすのか。私たちに課された宿題だ。

◆光と風の建築 國場幸房氏

県立公文書館の設計では、集落を意識して屋根の連なりを作った。外壁には直射日光を遮るため、竹網を模したプレキャスト(事前に成形したコンクリート部材)を用いて通風を確保した。
ムーンビーチホテルの設計では、ガジュマルの木陰に人々が憩うようなイメージで、ピロティ形式にした。実際、ホテルの宿泊客以外の人々もきて、ピロティにゴザを敷き涼んでいた。
ここ最近、ピロティ形式は下を駐車場にするために用いられることがほとんど。だが本来は、建物で土地を占領してしまわない素晴らしい建築様式だと思う。 
学生・若手30人参加 初回の授業から


 沖縄未来建築塾 生徒たちの感想 

・ピロティ形式を人が集う空間にしていることに驚いた。実は、自然や気候に逆らわない建築様式なのだと感じた。

・過酷な気候やインフラが整っていないなど、厳しい環境でこそ建築の果たす意義は大きい。沖縄の環境も建築に昇華していかなければならない。

・國場さんのおっしゃった「断面には断面の世界があり、平面と出会うことで豊かな空間が生まれる」という言葉にときめいた。まだ言葉の本質は理解できていないが、塾を通して突き止めたい。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1593号・2016年7月15日紙面から掲載

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