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2016年8月5日更新

公民館拠点に地域力向上【那覇市若狭公民館】|共に支える地域のチカラ③

2010年から「NPO法人地域サポートわかさ」が運営業務を受託している那覇市若狭公民館。住民参加型の先進的な取り組みや広報活動で全国から注目を集めている。

海沿いの低地帯にある若狭。高齢化が進む中、住民の連携強化や防災力の向上が課題です。

那覇市若狭公民館は1992年、旧若狭市場跡に開館。
1階が図書館、2、3階が公民館で、地域住民の憩いや学習の場として利用されている。
海沿いの低地帯にある若狭地域は、住民の約23%が高齢者。自治会の加入率は15・9%で、特に若い世帯の加入率が低い。館長の宮城潤さんは、「自治会活動は活発だけれども、支援組織に属していない人も多い。成育環境に不安がある子どもたちの存在も気になる。公民館を拠点に世代間をつなぎ地域力を高めることが、防災力の向上、子どもたちの健全育成にもなる」と語る。
同館は、幅広い世代の住民が参加する多彩な講座や企画の展開が特色だ。中でも住民の発案から生まれた「朝食会」は、8年以上続く名物企画。月1回開かれ、おかずを1品持参すれば誰でも参加できる。
発案者で、ほぼ皆出席という喜屋武あつひろさん(40)は、「誰でも頑張らずにできることをと考えた」と振り返る。この間、喜屋武さんには子どもも生まれ、現在は家族で参加する。「ここでしか会えないような人といろいろな情報を交換できるので、毎回楽しみにしている」と笑顔を見せた。
他と連携し入口拡大
同館ではさまざまな機関、団体とも連携する。「若い世代や他地域の人が若狭へ興味を持ち、関わってもらう仕掛けも大切。いろんな意見を出し合い、掛け合わせて展開していけたら」と宮城館長。
その一つがことし10月に行う防災訓練。阪神淡路大震災の経験をもとに考案された防災プログラムを取り入れたイベントも開く。「ゲーム感覚で学べる防災訓練と、おもちゃ交換会が組み合わさったイベント。親子で楽しみながら防災の技や知識が身につけられる」。
公民館の存在と若狭の魅力を伝えるため、インターネットを積極的に活用。活動や地域情報などを多角的に発信する。「若狭は琉球王朝時代から港のある玄関口として栄え、工業や芸能が盛んな地域。その誇りを子どもたちにつなげていきたい」と目を輝かせた。
◆ ◆ ◆
「公民館が楽しくなると、社会も良くなる。沖縄の公民館は日本一と言われるようになりたい」と語る宮城館長。その表情に期待が膨らむ。


若狭公民館で毎月1回行われている、おかず一品持ち寄りの「朝食会」は、6月で105回を数えた=6月25日、那覇市若狭公民館


若狭小学校側から見た若狭地域。海沿いから低地帯が広がる


「若狭地域文化祭」は、さまざまな機関が連携。多彩なプログラムで地域住民が毎年楽しみにしている(那覇市若狭公民館提供)


那覇市若狭公民館館長 宮城潤さん(43)

Q. 公民館のホームページが好評ですね。
A. 宮城 職員のイラストを使って公民館の温かさや優しさ、内容の分かりやすさに重点を置いて作成しました。利用者にとって使いやすい点も評価され、2015年度には「全国公民館インターネット活用コンクール」で最優秀賞を受賞しました。
Q. SNSなども活用して、多彩に情報や活動を発信をしていますね。
A. 宮城 ネットを通して情報を知った観光客の方が、月1の「朝食会」に参加することも珍しくありません。メルマガも配信していますし、フェイスブック、ツイッター、動画などもあるので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1596号・2016年8月5日紙面から掲載
 

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