公民館を買い物交流の場に【北谷町栄口区自治会】|共に支える地域のチカラ①|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

特集・企画

2016年5月6日更新

公民館を買い物交流の場に【北谷町栄口区自治会】|共に支える地域のチカラ①

北谷町栄口区では、自治会を中心に地域の人々がつながり、課題を楽しみながら乗り越えようと、知恵と工夫を盛り込んださまざまな取り組みが行われている。

一番近いスーパーは遠く離れた坂の上。車のない高齢者が買い物するのは大変なんです。

5人に1人が65歳以上の高齢者の栄口区。傾斜地に位置するため坂が多く、隣区にあるスーパーまでは長い坂道を上り下りしなければならない。車のない高齢者にとって買い物は大きな負担だった。
そこで区は2年前、高齢者が買い物や交流をできるようにと公民館を開放し、「えぐち商店」を開いた。毎週金曜日、町内外の業者や団体・個人が出店し、食料品や日用品などを販売している。
利用者の村上ハマ子さん(92)は、以前は息子の車でスーパーに行き、まとめ買いをして食品を腐らせてしまうこともあったという。「公民館に通うのは足の運動、買い物やユンタクするのは頭の運動になる。金曜日が楽しみ」と笑顔で話す。
コープおきなわ移動店舗「まちかど便」スタッフの我那覇マキさんは、「交流を重ねるうちに、表情や体調の変化に気付くようになり、声を掛けることも増えた」と見守る。

広がる相乗効果
同区自治会長の島袋艶子さん(69)は、「人のつながりが栄口区の魅力」と誇らしげに語る。買い物弱者を助けるために始まった取り組みは地域の若い人たちにも徐々に広がり、今では出店者や利用者も増えた。
「人が集まれば自然とユンタクが始まり、料理上手な主婦が差し入れを持ってくるなど交流が生まれている。健康運動教室の参加と健診の受診率アップにもつながった」と、予想以上の相乗効果に喜ぶ。
今後は、地域の子どもたちを育む取り組みにも力を入れる予定。「婦人会や老人会、県内大学生にも関わってもらいながら、野菜作り、料理教室、学習塾などができたら」と目標を語る。
◆ ◆ ◆
「自治会活動は、いかに継続するか、楽しくできるかが大事」と力を込める島袋さん。その言葉の一つ一つが地域への愛情にあふれていた。公民館を地域の誰もが遊びに来られる場所に―。そんな思いと行動が人をつなぎ、抱える課題を楽しみながら改善する足がかりになっている。


「えぐち商店」は、健康運動教室で公民館に高齢者が集まる金曜日が開店日。教室が終わると同時に買い物やユンタクが始まる=2016年4月15日、北谷町栄口区公民館


区民から差し入れられたおいしい料理を囲むと自然と笑顔になり、ユンタクも弾む


栄口区は坂が多く、往来は高齢者の負担となっている


栄口区自治会長 島袋艶子さん


防災も地域の力で
Q. 近年は防災でも自治会のあり方が注目されている。栄口区での取り組みは?
A. 島袋  区では訓練のシナリオをあらかじめ参加者に示さない「ブラインド方式」の防災訓練に取り組んでいます。何もないところから釜を作って炊き出し、救出や応急処置、消火活動まで体験します。最後においしいものを食べたり、皆で楽しむようにやると効果があるので、区の運動会でも消火器リレーをプログラムに入れるなど工夫しています。
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1583号・2016年5月6日紙面から掲載
 

特集・企画

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:978

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る