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2025年12月5日更新

リビングを「家族の空間」→「自分の居場所」に 沖縄の空間デザイン心理士による、リニューアルのススメ|家と心理㊺

空間デザイン心理士Ⓡで一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが、空間を心理的に解析。今回は、子育てが落ち着き、静かになった「リビング」の役割を考えます。家族のための場所でなく、自分のための空間に進化させてみませんか?

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何をして過ごしたいか

子どもが小さい頃、リビングは〝戦場〟で〝司令塔〟でした。

おもちゃや勉強道具が散らかり、テレビの音と子どもの声が入り交じる中、子どもの宿題を見ながら夕飯の支度をする毎日。あのころのリビングは「家族のための場所」でした。

子育てが一段落し、ふと静かになったリビングに立つと、こう感じる方も多いのではないでしょうか。「こんなに広かったっけ?」。同時に、ぽっかりとした空白を感じませんか? 

それは、空間の「役割を終えた」わけではなく「育て直す時期にきた」という合図なのです。子育てを終えたリビングを、自分たちの人生を楽しむための居場所へとチェンジしましょう!

大事なのは、「ここで何をして過ごしたいか」という視点。テレビを見るだけの空間から、

・読書を楽しむ
・コーヒーを味わう
・好きな音楽を流す
・夫婦の会話を楽しむ


など「静かな豊かさ」を楽しむ場へと空間を変えるタイミングです。

そのためには、家具の配置や照明を変えてみましょう。

まずソファの向き。家族全員でテレビを囲む配置から、夫婦が自然に会話できる角度へ変えるだけでも、空間の空気は驚くほど変わります。

照明も、これまでの「明るさ重視」から「心地よさ重視」へ。少し間接照明を加えることで、夜の時間に深みが生まれます。

そして意外と大切なのが、「何もしない場所」をあえてつくること。予定も役割もない、ただ「ここにいるだけで落ち着く場所」。それは心の余白そのものです。
 
 自分たちのためのリビングの提案 

くつろぎ&充電型
今までは家族が集まり“フル稼働”だったリビングを「頑張らなくていい場所」へ。
【ポイント】
・ゆったり座れる一人掛け+オットマン
・照明は天井だけでなくフロアライトも置く
・テレビの存在感を少し控えめにする
・観葉植物をプラスし、「丁寧に暮らす」空間に 

【期待できる心理的効果】 
 家の中に「頑張らなくていい場所」があると、そこにいるだけで脳が緩み、安心モードに切り替わります。
□疲れが抜けにくくなった
□家にいても気が休まらない
□更年期の揺らぎを感じている という人にもおすすめです。
 
ふたり時間充実型
夫婦の会話が自然に生まれ、互いに向き合える「夫婦の居場所」に。
【ポイント】
・ソファをL字配置にして対話の距離をつくる
・中心に小さめの丸テーブル
・コーヒーセットやお酒コーナーを設置
・テレビは横にずらす 

【期待できる心理的効果】 
 程よい距離が心の緊張をほどき、自然に会話が始まります。
□夫婦の会話が減ったと感じている
□家にいるのに夫婦の距離を感じる
□これからの夫婦時間を大切にしたい という人にもおすすめ。

自分時間満喫型
もう誰かの場所じゃない。私のためだけのリビングにシフトチェンジ!
【ポイント】
・ソファ+ワークデスクまたは読書コーナーを設置
・趣味アイテムを収納する棚や展示スペース
・好きな色をアクセントに
・香りの演出(アロマ・お香) 

【期待できる心理的効果】 
 「自分を大切にする」という感覚を空間から育てることで、自己肯定感が自然に高まります。
□これから何か始めたい
□自分の時間を楽しみたい
という人におすすめ。

 

人生の後半戦を豊かに

リビングは、人生のステージによって意味を変えます。あなたの家は、これまでを支えてくれた場所であり、これからを楽しむ舞台でもあります。「子どものための家」から、「私たちの人生を味わう家」へ。自分の頑張りをねぎらい、これからの時間を優しく包む場所へと変えていく過程もきっと楽しいはずです。自分が好きなテイストへ模様替えをしたり、お気に入りだけを集めたぜいたくな空間をつくることで人生の後半戦が、もっと自由に、もっと豊かになるでしょう。

これからの主役はあなた自身です。今こそ、リビングを「私の居場所」にしていきましょう。

 

[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。
http://ielie.net


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2083号 2025年12月05日紙面から掲載

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