特集・企画
2022年5月20日更新
[沖縄]複数の学習スペース用意|家と心理②
県内唯一の空間デザイン心理士®で、一級建築士、2児の母でもある前海佐季子さんが空間を心理学的に解析。今回は、子どもの心理を考えた「学習環境の整え方」を解説する。
子どもが勉強しやすい環境とは
子どもは飽きやすい
子どもにとって、家庭での学習環境は、非常に重要です。どんな環境を用意するのがベストなのか、悩んでいる親御さんは多いと思います。
子どもが親のそばで安心でき、家族とのコミュニケーションが取りやすい「リビング学習」という言葉も一般的になっていますね。
私がおススメしたいのが、それを進化させた学習環境です。気分やシチュエーションに合わせて子ども部屋、リビング、ダイニングと、好きな場所で勉強できる、名付けて「ノマド式学習スペース」!
ウチでは、折り畳み机も用意し、好きに移動できるようにしています。
そうすると、勉強する場所は無限大。たまに廊下や私たちの寝室など、不思議な場所で勉強しているのを見ます。あるご家庭では、庭に面した縁側でやっているとか。
大人でも気分が乗らないときに、カフェに行って気持ちを切り替えたりしますよね。子どもにだって気分が乗らないときもあります。子どもの「心理」的にも、いくつも学習スペースがあると気分転換しやすいというメリットがあります。
わが家は好きな場所で勉強できる
「ノマド式学習スペース」
ノマド式学習スペースのメリット
1.飽きやすい子どもにとって、気分転換がしやすい。
2.小学生までは、親の近くで勉強したい子も多い。安心して勉強でき、親の目も行き届きやすい。
3.学習内容、シチュエーションに合わせて使い分けられる。リスニング学習なら1人になれるスペースで、家族に教えてもらいたいときは、2人以上で座れるところでなど。
子ども専用の収納つくる
メリットが多いリビング学習ですが、デメリットもあります。対策法を紹介します。
お悩みの1位が、勉強道具が散らかる。リビングに子どもの勉強道具が散らかり、モノが無くなることもしばしば。
その対策法としては、子どもだけの収納スペースを作ること。大人のものを交ぜずに子どもの持ち物だけを1カ所にまとめることで、自己管理をさせます。これは責任力や自立力にもつながります。
書類や郵便物、バッグなど同じカテゴリーのものなら、大人のものと一緒にしてもいいのでは? と思いがちですが、一緒の収納場所だと雑然としてしまい、子どもの片付けモチベーションが下がってしまいます。それぞれの人、もしくは大人の物と子どもの物と分けるのがおすすめです。
そして、収納を作ったら終わりではなく、定期的に全体量を把握しましょう。モノが増えると管理ができず、散らかる原因となります。
手順は、ボックスの中にあるものをすべて出して「今使っているモノ」「使っていないモノ」を子どもと一緒に仕分けして、「使っているモノ」だけ元に戻します。常に適量を心がけましょう。
リビング学習のお悩み① 「モノが散らかる」
子どものものだけの収納場所をつくり、自己管理させる
お子さん3人が、それぞれ、自分のモノを自分で管理できるよう、縦のラインで各自の収納スペースを作りました。ランドセルや教科書、文房具などモノの置き場所をきちんと決め、学校のプリントなどもきちんときょうだい別・目的別に仕分けできるようトレーを準備しました1.飽きやすい子どもにとって、気分転換がしやすい。
2.小学生までは、親の近くで勉強したい子も多い。安心して勉強でき、親の目も行き届きやすい。
3.学習内容、シチュエーションに合わせて使い分けられる。リスニング学習なら1人になれるスペースで、家族に教えてもらいたいときは、2人以上で座れるところでなど。
子ども専用の収納つくる
メリットが多いリビング学習ですが、デメリットもあります。対策法を紹介します。
お悩みの1位が、勉強道具が散らかる。リビングに子どもの勉強道具が散らかり、モノが無くなることもしばしば。
その対策法としては、子どもだけの収納スペースを作ること。大人のものを交ぜずに子どもの持ち物だけを1カ所にまとめることで、自己管理をさせます。これは責任力や自立力にもつながります。
書類や郵便物、バッグなど同じカテゴリーのものなら、大人のものと一緒にしてもいいのでは? と思いがちですが、一緒の収納場所だと雑然としてしまい、子どもの片付けモチベーションが下がってしまいます。それぞれの人、もしくは大人の物と子どもの物と分けるのがおすすめです。
そして、収納を作ったら終わりではなく、定期的に全体量を把握しましょう。モノが増えると管理ができず、散らかる原因となります。
手順は、ボックスの中にあるものをすべて出して「今使っているモノ」「使っていないモノ」を子どもと一緒に仕分けして、「使っているモノ」だけ元に戻します。常に適量を心がけましょう。
リビング学習のお悩み① 「モノが散らかる」
子どものものだけの収納場所をつくり、自己管理させる
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お子さんをダイニングで勉強をさせているけれど、勉強道具やランドセルをダイニングに置いて散らかす、とお困りのお宅。解決法として、ダイニングに勉強道具の収納棚を設置しました
視界遮り、集中させる
次に多いのが、きょうだいが同じ部屋で勉強するとケンカする。
姿が見えるから気になるので、見えなくしちゃいましょう! パーティションで一人をすっぽり囲って視界を遮ります。視界を遮ると、余計な情報が脳に伝わらないので、心理的に落ち着き、集中しやすくなります。さらに耳栓やヘッドホンで聴覚をふさぐと脳への情報が減るため、一段と集中できる可能性があります。
ただし、小学校高学年~中学生でも15分ほどしか集中できないと言われています。さりげなく見守りながら、ときどき休憩させてあげましょう。
リビング学習のお悩み② 「きょうだいで一緒に勉強させると、ケンカが始まる」
パーティションなどで一人をすっぽり囲う きょうだいが並んで勉強しているとケンカして集中できない。どちらかの集中が切れると、ちょっかいを出し始めてケンカが始まる。これも親御さんの困り事ですよね。その解決法は、名付けて「きょうだいよ! わが視界から消えたまえー!の術」。部屋を仕切るのではなく、パーティションなどで一人をすっぽり囲って、お互いの姿を見えなくしましょう
もう少し小さい卓上用パーティションもある。これならデスクの上に置けます(オーヴニングデスクディバイダーポケット付き/IKEA)
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。http://ielie.net
これまでの記事は、こちらから。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1898号・2022年5月20日紙面から掲載