建築
2021年12月10日更新
[沖縄・住宅の保険]知っていますか? 住まいの保険⑨|地震保険③「保険料」
執筆/松代貴志(日本損害保険協会沖縄支部 事務局長)
地震保険③「保険料」
性能や支払い方で割安に
地震による建物や家財への損害を補償する地震保険。今回は保険料について紹介する。基本的には建物の構造や所在地によって決まるが、免震・耐震性能が優れていたり、長期一括払いにすることで割引も受けられる。
構造と所在地で基本料
免震・耐震なら50%割引も
地震保険の保険料は、建物の「構造」と「所在地」によって決まります=表1。
建物の構造区分は、「イ構造(主として鉄骨・コンクリート造の建物)」と「ロ構造(主として木造の建物)」の二つ。保険料は、イ構造がロ構造よりも安くなっています。沖縄県では、台風対策もあり「イ構造」となるコンクリート造の建物が多く見られます。
所在地に関しては、地震発生の危険度などに応じて、都道府県別に細分化されています。
また、地震保険には建物の免震・耐震性能に応じた割引制度があります。具体的には「免震建築物割引」「耐震等級割引」「耐震診断割引」「建築年割引」の四つです=表2。これらの割引の条件に該当する場合には、所定の確認資料を提出することで、地震保険の保険料に10%から50%の割引が適用されます。ただし、重複して適用を受けることはできません。
最長5年の長期一括払い
単年払いより保険料お得
地震保険の保険期間は最長5年です。保険料を長期一括払いにすると年払いと比べて保険料が軽減されますので、現在長期契約で保険料を年払いにしている場合には更新のタイミングなどに一度見直しをしてもよいでしょう=表3。例えば沖縄県にある、契約金額が1000万円のコンクリート造の建物で割引なしの場合、年間保険料は1万1800円、3年だと3万5400円となります。これを3年の長期一括払いにすると、3万3630円で1770円軽減されます。
なお、地震保険では建物と家財で同じ保険料率が適用されます。
当協会では地震保険の特設サイトを設置し、地震保険のより詳しい内容の確認や保険料の試算もできるようにしています。さらには、地震への備えや都道府県・市区町村別の災害の発生確率などの情報を学べるクイズコンテンツ「地震に備える◯×クイズ」も用意していますので、是非ご覧ください(https://www.jishin-hoken.jp/)。
詳しくはお近くの損害保険代理店や損害保険会社までお問い合わせください。 執筆者
まつしろ・たかし/(一社)日本損害保険協会沖縄支部事務局長、
琉球大学客員教授
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1875号・2021年12月10日紙面から掲載