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2021年11月5日更新

自分たちで避難所を運営するために⑧「情報班」|みんなの防災計画[31]

文・長堂政美
避難者自身による避難所運営は、さまざまな班や役割によって構成される。今回は「情報班」を紹介。ライフラインの復旧情報をはじめ、さまざまな情報を集めて避難者に提供する。

情報集め対策しやすく




最優先は復旧情報

デマには注意
これまで避難所運営組織のいろいろな班を紹介してきましたが、最後は情報班。情報収集と、収集した情報の提供をします。

集める情報は、避難所を中心とした、地域の被災状況や、復旧状況、在宅避難者がどんな暮らしをしているかといった生活状況など。

中でも優先したいのが、電気やガス、水道といったライフラインの復旧の日程に関すること。いつ復旧するかが分かれば、避難所での炊き出しや入浴、トイレなど、復旧までどのように対応すべきか計画を立てやすくなります。どの地域がいつ頃復旧するかは、市町村災害対策本部でも優先把握内容なので聞いてみましょう。

そのほか、地域を巡回したり、電話やFAX、テレビ、ラジオ、防災行政無線、エリアメール、SNS、口頭など、多様な手段で情報を集めてください。

ただし、災害時はデマもたくさん出回ります。発信元を確認したり、実際に現場を見に行くなどして、正しい情報を得ることが大切です。


要配慮者にも情報を

集めた情報は、情報を得た時刻や発信元、場所などを整理した上で、市町村の災害対策本部に報告したり、避難所内の掲示板や施設内放送によって避難者らに提供します。

このとき、高齢者や、視覚・聴覚障がい者、外国人といった要配慮者にも情報が伝わるよう注意。口頭で直接伝えたり、手書きや手話、身ぶり手ぶり、通訳などを介しましょう。在宅避難者などには、SNSで発信するのも有効です。

また、外部に避難者情報を提供するのも情報班の役割。目立つ場所に、避難者や外部からの安否確認情報などを貼り出してください。

情報班に向いているのは、電子情報媒体を使える人や、手話や通訳をはじめアナログな情報伝達ができる人など。確かな情報を多くの人に届けられる人が良いでしょう。


情報班は何をする?

地域の被災・復旧情報などを収集

避難所がある地域の被災状況や復旧状況、在宅避難者の生活状況などに関連する情報を集め、避難所運営組織がそれぞれどのように対応するか考える材料にする。特にライフラインの復旧情報には力を入れる。ただし、デマには注意する。

また、被災状況や在宅避難者の生活状況については、総務班を通じて、市町村の災害対策本部に報告。情報を得た時刻や発信元も明確にし、不明であれば「確認は取れていませんが」と一言添えておく。

避難者への情報提供

収集した情報を整理し、避難所運営組織委員長の指示のもと、避難所内の掲示板や施設内放送などを使って避難者に伝える。情報収集時と同様、「○月○日から電力供給が開始されます」などライフラインの復旧情報を重視する。

要配慮者(高齢者、障がい者、外国人など)や、在宅避難者にも情報が行き渡るよう、手話や通訳、SNSなど多様な手段を駆使する。

外部への避難者情報の提供

避難者から提供された安否確認情報や、外部からの問い合わせなどを整理して掲示板に貼り出す。名簿班との連携が必須。


情報班 こんな人が向いている!

いろいろな電子情報媒体を使って、情報の送受信ができる人


アナログな手段で情報を伝えられる(紙や段ボール、掲示板に手書き。通訳、手話ができるなど)





ながどう・まさみ/NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長
☎098・923・4442

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1870号・2021年11月5日紙面から掲載

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