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2021年9月10日更新
[沖縄・住宅の保険]知っていますか? 住まいの保険⑥|災害から家や子どもを守る
執筆/松代貴志(日本損害保険協会沖縄支部 事務局長)
災害から家や子どもを守る
保険と防災教育で自助
自然災害による被害が増える中、自分で自分の身を守る「自助」が大切になってきている。保険で家を守るほか、子どもの防災教育としてのマップ作りについて紹介する。
ハザードマップで必要な補償を確認
「線状降水帯」という言葉をよく耳にするようになりました。沖縄では6月に、全国でも8月に線状降水帯が発生して大雨による大きな被害をもたらしました。被害数も年々増加しています=下グラフ。このような自然災害による被害を減らすには、一人一人が自ら取り組む「自助」が重要です。
災害時には、テレビ・ラジオの情報や、沖縄気象台が発表する注意報・警報、沖縄県が発表する避難関連情報などを確認して、身の安全を守ってください。
非常用持ち出し品や避難経路・場所の確認など、日頃からの準備も大切。自然災害などによる住宅や車の被害に備える損害保険も、事前対策の一つになります。
例えば、住まいの保険(火災保険)は、台風により屋根瓦が飛ばされるような風災や、豪雨による洪水・高潮、土砂崩れなどの水災による損害を補償します。加入する際は、ハザードマップなどを活用して必要な補償を確認のうえ、保険商品を選びましょう。
浦添市立宮城ヶ原児童センターのスマイルフラワーチームが作った防災マップ。感染症対策のほか、避難ルートの検証では、近道が安全とは限らないことや、要配慮者は車で避難することなどを提言している
マップ作りで防災を学ぶ
日本損害保険協会では、子どもたちの防災意識の向上を目的に、「ぼうさい探検隊」の普及に努めています。これは、小学生が街にある防災・防犯・交通安全に関する施設や設備などを見て回り、身の回りの安全・安心を考えながらマップにまとめ発表するプログラム。家族や学校で災害時の行動を話し合うきっかけにもなります。ぼうさい探検隊で作成したマップを対象にコンクールも開催。昨年は全国から960点が集まる中、浦添市立宮城ヶ原児童センターのスマイルフラワーチームが「わがまち再発見賞」に輝き、豊崎学童クラブや豊見城市なないろ児童クラブのチームも入賞しました。
マップを作成した子どもたちの訴えが行政を動かし、危険箇所の改善につながった例もあります。小学生2人以上によるマップであればOKなので、防災力を高めるためにも参加してみてはいかがでしょうか。
マップ募集中
日本損害保険協会では、第18回「ぼうさい探検隊マップコンクール」の作品を募集している。テーマは「地域の安全・安心」。応募締め切りは11月4日(木)必着。詳しくは同協会ホームページ(https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/reduction/bousai/index.html)。
執筆者
まつしろ・たかし/(一社)日本損害保険協会沖縄支部事務局長、
琉球大学客員教授
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1862号・2021年9月10日紙面から掲載