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2021年8月13日更新

[沖縄・住宅の保険]知っていますか? 住まいの保険⑤|失火責任法と損害保険

執筆/松代貴志(日本損害保険協会沖縄支部 事務局長)


失火責任法と損害保険

もらい火は自分の保険で

隣家からのもらい火で自宅が焼失した場合でも、重大な過失がない限り、失火責任法によって火元の隣家は損害賠償責任を負わない。しかし火災でなければ損害賠償責任は発生する。特約を付けておくことで、さまざまな事故に備えられる。

失火責任法のイメージ


過失のガス爆発は損害賠償責任発生

故意または過失によって他人に損害を与えた場合、民法709条に基づいて損害賠償責任を負います。しかし、過失によって火事を起こし、それが延焼して他人の家に損害を与えた場合は、民法の特別法である「失火の責任に関する法律」(失火責任法)により、重大な過失がある場合を除き、損害賠償責任は負わないことになっています。

したがって、隣家からの延焼により自分の家が被害を受けても、隣家に重大な過失がなければ、損害賠償請求はできません。そのため、自分の家からの出火だけでなく、隣家からの延焼に備えるためにも、火災保険を契約する必要があります=右上イラスト。

なお、失火責任法は火災を対象としているので、自分の家で「ガス爆発」が起こり隣家に損害を与えた場合は損害賠償責任を負います。このような事態に備える保険として、日常生活で発生するさまざまな賠償事故による損害賠償責任を補償する「個人賠償責任保険」があります。火災保険、自動車保険、傷害保険などの「特約」としてセットすることが一般的で、既に加入している場合もありますので確認しておきましょう。


賃貸の火災 家財とセットで備え

賃貸住宅の場合はどうでしょうか。入居者は家主との賃貸借契約に基づいて、退去時には原状を回復して返還する義務を負うのが一般的です。また、失火責任法で損害賠償義務を免れるのは民法709条の不法行為責任についてのみであることに注意が必要です。

なぜなら、入居者が火事で部屋を焼失させた場合、失火責任法により近隣に対しては重大な過失がなければ損害賠償責任を免れますが、家主に対しては民法415条に基づいて債務不履行による損害賠償責任を負うことになるからです。そのような家主への損害賠償責任に備える保険として、入居者が契約する家財の火災保険に特約としてセットする「借家人賠償責任保険」があります。

このように、自己所有の住宅の場合には火災保険に個人賠償責任保険を、賃貸住宅の場合には家財の火災保険に借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険をセットしておくと安心です。


執筆者
まつしろ・たかし/(一社)日本損害保険協会沖縄支部事務局長、
琉球大学客員教授

 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1858号・2021年8月13日紙面から掲載

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