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2021年7月23日更新

[鳩さんのつぶやき]③|購入希望地にある井戸、どうする?|沖縄県宅地建物取引業協会

沖縄県宅地建物取引業協会の広報啓発委員会のメンバーが、日々の業務で感じた、よもやま話をつづります。

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鳩さんのつぶやき 

協力/沖縄県宅地建物取引業協会


大城 民夫
㈱ピープル住研  代表取締役
沖縄県宅地建物取引業協会 広報啓発委員


購入希望地にある井戸、どうする?

南城市大里で不動産売買と賃貸管理を専門に手掛けて11年。1~2年に一度くらいの割合で出てくるのが、「井戸がある土地の購入」に関するご相談です。

土地をお探しの方に、井戸がある宅地や田畑をご案内した場合、それだけで「ダメダメ」と拒否反応を示す方もいれば、「埋め戻しても問題ないか」と尋ねてくる方、「畑の水まきに活用できる!」と喜ばれる高齢者まで、その反応はさまざまです。

沖縄にかかわらず、井戸は古くから生活に欠かせない場所だったため、神聖な場と捉えられてきました。井戸とは少し異なりますが、読者の中には産水に使われた地域の水場「ウブガー」に、結婚や新築など人生の節目に手を合わせに行ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。つまり、人は生まれてから死ぬまで水とは切っても切れない関係にあり、水は命の源というわけです。

これらを踏まえると、前述の高齢者のように井戸を活用できるならそれが一番。ですが、敷地の条件や管理上の問題から埋め戻しが必要な場合、当社では以下のような手順を踏んでいます。

①宅地の場合/人が住んでいた土地にある井戸を埋め戻さなければならない場合は、お坊さんにお祓いを依頼。井戸の前に米・塩・酒を供え、平御香を焚いて、感謝の意を述べます。その後、鏡を入れて埋め戻します。鏡を入れるのは「悪い物を封じ込める、はね返してもらう」という言い伝えからのようです。

②田畑の場合/①を参考に、埋め戻しのための儀式を、自分たちで実施します。

①も②も長年土建業に携わり土地改良工事を請け負う中でいくつもの井戸を埋め戻してきた父の教えに習ったもので、経験上、感謝の意を持ってきちんと対処すれば問題ないというのが、私の考えです。

ちなみに井戸がある(埋め戻したものも含む)土地を売る場合、不動産業者は売り主にその告知義務があることを知らせる必要があります。埋め戻しの費用を売り主、買い主のどちらが負担するかはケースによりますので、取り扱っている不動産業者にお尋ねを。

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1855号・2021年7月23日紙面から掲載

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