キンザー跡地に沖縄型未来都市を|建築探訪PartⅡ|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2020年10月9日更新

キンザー跡地に沖縄型未来都市を|建築探訪PartⅡ

次世代に残したい沖縄の建造物の歴史的価値や魅力について、建築士の福村俊治さんがつづります。

キンザー跡地に沖縄型未来都市を

浦添西海岸キャンプ・キンザー(浦添市) 
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前回(9月11日、1810号掲載)に続き、地元有志が作成した「浦添西海岸・キャンプキンザー跡地・既成市街地の一体計画市民案」を述べる。これは多くの市民に街づくりへの関心や議論を喚起するための「たたき台」で、有意義な批判・反論は大いに歓迎する。計画はかつての沖縄の国際都市形成構想をベースに、段階的返還を踏まえた基地跡地を利用しながら既成市街地と失われた自然の再生を目指す。


敷地中央部に移設した新58号(幅員70㍍) 



キャンプキンザー中央部の模型写真


計画地は空港から7㌔、県庁から5㌔、那覇港湾と国道58号に隣接し、周囲には中南部市街地に住む数十万人の人口を抱え、利便性とともに海の自然が残る。民港の埋め立て計画は30数年前のキンザーが返還されない時代の発想で、物量が増えずハブ港計画もなくなった今は、埋め立てる根拠は弱い。むしろ現港湾内の埋め立て計画や老朽化した港湾施設はコンテナ時代に合う再開発を急ぐべきである。軍港は国家間の約束であり、現那覇軍港跡地開発と嘉手納以南の基地返還を考えれば西洲の延長部に作り、近い将来に民港に移行すべきだ。つまり西海岸の埋め立てを最小限にとどめ、県民・観光客の憩いの場となる自然に近いビーチに修景する。客船埠頭も海流を遮らない桟橋形式とし、ホテル群と一体利用する。



長さ3㌔のロングビーチと総合的計画がされ、16万人が住む・働く・楽しむことができる未来都市型の模型写真


海と地形生かして

キャンプキンザー跡地計画は、今後の基地跡地計画の見本となり、地主と市民と浦添市に大きな利益を生む。沖縄の海と地形を生かした沖縄型未来都市を目指す。全域の容積率をアップし大きな区画割の土地高度利用と建物高層化によって、従来の減歩率で広い道路・公園・公共施設を確保する。この街の骨格は敷地中央に移設する70㍍幅の新国道58号と、ビーチと既成市街地を結ぶ45~90㍍幅の緑道で、ビーチと既成市街地が結ばれる。



西海岸・キャンプキンザー・既成市街地を一体的に計画した提案図。土地建物の高度利用を目指した緑やロングビーチのある沖縄型未来都市計画


ビーチに面してホテル群(オレンジ部・約1万客室)、その後ろには米軍のハウジンクも活用した民間マンション群(黄部・約1・1万戸)、新58号線の両サイドは業務地区(ピンク部・約50万坪)、その南側には屋富祖再開発用住宅群(黄・5千戸)、中央公園と公共施設(紺色・小中学校・美術博物館)、西原・与那原に計画予定のMICE(青)、港湾施設再開発ビル(紫)などを配置し、約16~17万人が住み、働き、楽しむ街をつくる。事業工事費は約1兆5千億円。できれば土地や建物を一括して地主さんの会社が計画・建設し、賃貸するシステムを作る。

県も計画や基地跡地利用の新たな制度をつくり、日本本土や海外からの投資や会社移転や移住を呼び込み、平和・共生・自立の新しい沖縄づくりを目指す。



道路と緑道のイメージ



現キンザー跡地計画と三者合意された西海岸の開発計画




ふくむら・しゅんじ
1953年滋賀県生まれ・関西大学建築学科大学院修了後、原広司+アトリエファイ建築研究所に勤務。97年teamDREAM設立。
西海岸+キャンプキンザーの動画「うちなーありんくりん」https://youtu.be/WRre_jwVGdA
https://youtu.be/0keljo5LTbM
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1814号・2020年10月9日紙面から掲載

 

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