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2020年5月1日更新

防災福祉リーダー育成事業(1)|みんなの防災計画[13]

文・長堂政美
昨年度、嘉手納高校で福祉を学ぶ生徒11人が、福祉と防災の知識や技術を併せ持った「防災福祉リーダー」の育成事業に取り組んだ。この事業について2回に分けて紹介する。今回は、防災福祉の重要性と事業の意義について解説する。

福祉と防災の知識を兼備

要配慮者の防災をより適切に
死亡率の高い要配慮者

災害時、高齢者や障がい者など、自力避難が困難な災害時避難行動要配慮者(以下、要配慮者)の死亡率は、健常者に比べて高い-このことは、過去の災害からの教訓となっています。そんな中、嘉手納高校総合学科福祉系列では、昨年9月から今年1月にかけて、「防災福祉リーダー育成事業」を実施しました。主な目的は「防災マニュアルの作成方法や要配慮者のサポート方法などを学び、防災福祉の視点から、地域の防災・減災についてリーダーシップのとれる人材(防災福祉リーダー)を育てること」。私たち防災サポート沖縄も、講師として協力することになりました。

将来の地域防災の要
福祉に特化した分野の学生が防災を学ぶことは、要配慮者に対する防災のあり方を、より適切なものにするきっかけになります。また、高校生は、体力的にも成人と同レベル。実際に災害が発生したとき、共に災害防除活動を行う際の大きな人的防災資源となります。さらには、大人になったときに、災害弱者に重点を置いた防災の手法が身についているので、要配慮者を助けるのに必要な人員やそろえるべき器具、避難方法のアドバイスなど、地域防災の要にもなり得ます。まさに、これからの防災福祉を担うリーダーとも言えるでしょう。

地域と連携し実践的に
高校生にとってより実践的な授業にしていくために大切なのは、行政や自主防災組織、社会福祉協議会、民生委員、保育園といった、地域との連携です。実際、嘉手納高校の場合でも、嘉手納町西浜区で危険箇所などを把握するための防災ウオークをした後、防災マップを作製。その際、マップを使うことになる同区の防災組織に細かい部分の確認をしてもらったりしました。また、最終的な目標としては、地域の要配慮者の避難を誰がどのように支援するかを決めておく「要配慮者避難支援事業」に取り組むことにありますが、そのためには、社会福祉協議会や民生委員の方々との連携が特に必要です。理由は、普段から地域内の要配慮者と接しており、それぞれの詳細な病状などが分かるため。協力して事業に取り組むことで、福祉と防災を学ぶ高校生たちの知識や能力を存分に引き出すことができるからです。嘉手納高校での取り組みがモデルとなり、今後、県内のほかの福祉系の高校や専門学校などでの取り組みが増えていけばと思います。


長堂さん(右端)から要配慮者の防災について指導を受ける、嘉手納高校総合学科福祉系列の学生ら


「防災福祉リーダー育成事業」での座学の様子

■前回の記事はコチラ​


ながどう・まさみ/NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1787号・2020年5月1日紙面から掲載

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