リノベ
2014年10月3日更新
希望の立地で安く入手|中古もイイね[1]
中古一戸建て・マンションは、希望の立地で新築よりも安く手に入るのが売り。「身の丈に合ったマイホームを」「家は欲しいが、子どもの教育や趣味も充実させたい」と考えるなら、検討の価値はある。不動産に詳しいファイナンシャル・プランナーの友利真由美さんは「中古は現物を確認でき、子どもの教育費も確保しやすいなどメリットは多い」と指摘する。
主なメリットは何?
中古住宅ならではのメリットとして友利さんが挙げるのは、以下の三つ。
①希望の立地で、新築よりも安く手に入れられる
②建物の間取りや設備、躯体の状態、立地環境、マンションの管理や管理組合の状況、修繕履歴など、現状を確認できる
③手持ちの現金を不動産という形で固定でき、売却して住み替えにも対応できる
①は、例えば土地の購入と新築で4000万円以上は掛かる地域でも、中古だと3000万円以内で購入できる場合がある。両方の取得費を借入額とすると、金利2%で返済期間30年の利息の差額は約330万円(全期間固定金利型、元利均等返済、ボーナス返済なし)。
「両方の差額と利息差額の合計は約1330万円。子ども1.5人分の教育費に相当します。それを充てられるのは、家計を守る点でも大きい」と話す。
中古を求める消費者ニーズの高まりを友利さんは感じている。1年間に来る相談者約60人のうち、中古住宅を検討している人は、5年前は4割だったのが、2年前からは7割に増えているという。
住み替える人向き
一方、「平均的な県民所得を踏まえると、妥当とされる2000万~3000万円程度の物件がなかなか出回らない」と、需要と供給の差も指摘する。
マイホームの取得に中古住宅が向いている人を「転勤族や将来的に実家で親と同居する予定がある人。ライフスタイルの変化に合わせて住み替える発想を持っている人」と答える。
一方、②の大切さも挙げ「特に建物の状態を知るインスペクション(住宅診断)は必要不可欠。現物が見られるからこそ、確認は入念に」と強調した。
◇ ◇ ◇
当連載では、中古住宅を安心して効率よく手に入れるためのノウハウ、事例を中心に、業界の動きも織り交ぜて取り上げていく。
物件を探す前に・・・|中古もイイね[2]
この人に聞きました。
友利真由美(ともり・まゆみ)
FP事務所「エレファントライフ」代表。
宅地建物取引主任者、2級FP技能士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ
編 集/我那覇宗貴
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「中古もイイね<1>」第1501号・2014年10月3日紙面から掲載