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2014年11月7日更新

物件を探す前に・・・|中古もイイね[2]

中古住宅を買いたいと思ったら、物件を探す前に、条件を絞り込もう。中古マンションを買った経験があり、リフォームを含めた中古住宅の購入を提案する(株)佐平建設取締役常務の柿本洋さんは「住宅取得に掛けられる予算の把握から始めてほしい。立地や築年の絞り込みも大切」とアドバイスする。

「まずは予算をつかもう」



ファイナンシャル・プランナーを活用して、身の丈に合う住宅取得の予算をつかもう



物件を探す前にすべきこととして、柿本さんは「住宅資金に掛けられる予算の把握」を挙げる。実際、予算を漠然ととらえている客が少なくないからだという。

住宅ローンという大きな負債が伴う中で子どもの教育や老後の費用を確保するためにも、ローンの借入額は「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えたい。

返せる借入額のつかみ方として、「ファイナンシャル・プランナー(FP)に相談するのがお勧め。ライフプランを踏まえて、家計の収支を長く広い目でつかめます」とアドバイス。

物件以外の費用も、仲介手数料や登記、引っ越し、リフォームと多岐にわたることから、それらも見込んで総予算を組むよう指摘した。
 
条件の中でも重要度の高い立地は、絞り込み過ぎないのがミソ。

例えば、那覇市の一つの地域に限定するのではなく、那覇市内あるいは浦添市と、ある程度範囲を広げる。その方が、候補となる物件が幾つか出て、比較ができるようになるという。不動産会社にも探してもらいやすい利点もある。「実家や子どもの学校区にとらわれがちですが、車でカバーできる場合も多い。柔軟に考えたいですね」
 
築年(建設した年)も重要だ。柿本さんが推すのは、新しい耐震基準で設計された1981年6月以降に確認申請した物件。鉄筋コンクリート造の場合、さらに築25年以内なら住宅ローン減税や登録免許税、不動産取得税の軽減が受けられる。築25年以上でも「耐震基準適合証明書」を入手できれば、これらの恩恵が受けられる。

 一戸建て、マンションで確認したいポイントが違う(下記)。「現物を確認できるのが、中古住宅の大きな利点。物件は一つだけでなく幾つか見比べて吟味しましょう」と話した。


築年・物件価格・リフォームの関係​



基本的に築年が新しいと、物件価格は高く、リフォーム費は安くなり、リフォームの自由度は小さくなる傾向がある。築年が古い場合は安い半面、リフォーム費は高くつくが、自由度は大きい
 


確認したい主な項目


【一戸建て】
鉄筋コンクリート造では、柱や梁、外壁やスラブなどに、ひび割れや塗装のはがれがないかを確認しよう。躯体の劣化が激しいと、補修に多額の費用が掛かるためだ。「例えば、数年前に塗装をし直した物件があれば、良いですね。メンテナンスをした分は物件の価格に上乗せされていないことが多いので狙い目」と柿本さん。


【マンション】
大規模修繕の時期や工事の内容、前の所有者が修繕積立金を滞納していないかを、管理組合を通じて確認しよう。「修繕積立金の残高が少ないと、自己負担を求められるケースがある。管理組合がきちんと機能しているか、修繕計画が適切かどうかもチェックを」とアドバイスした。


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この人に聞きました。


柿本洋(かきもと・ひろし)
1979年、広島県生まれ。(株)佐平建設取締役常務、(有)日建開発取締役。中古住宅の物件情報とリフォーム案を発信する不動産サイト「きたな美らん」が好評


 


編 集/我那覇宗貴
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「中古もイイね<2>」第1506号・2014年11月7日紙面から掲載

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