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2020年5月8日更新

ようこそ♪DIYの世界へ レトロ×ぜいたくにリノベ

#26 前回に引き続き、本連載講師の島袋さんが手掛けた家具や物件を事例に、DIYのポイントなどを紹介する。今回は、元スナックの雰囲気を生かし、派手な壁材や彫刻が施された家具などたくさんの装飾によって、レトロでぜいたくな空間に仕上げた部屋。

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 Tripshot Hotels Koza(トリップショットホテルズコザ) 部屋名「DECORA」(デコラ)

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装飾多めで豪華に
デコラは、飾りたてた様子を意味する「デコラティブ」からとったもの。部屋はもともとスナックとして使われており、派手な装飾が施された照明や、細かい柄の布が貼られた天井など、ぜいたくな雰囲気が残っている空間でした。それらを生かすため、壁紙は柄もの、家具も多くの彫刻が施されたものを選定。また、一部の壁は、昔ながらの喫茶店や高級ホテルなどで使われてきたクッション壁を採用。クッションとクッションの間の溝や、表面に打たれたボタンによる凹みが陰影を浮き立たせ、立体感が出てきます。今回はこのクッション壁を再現=下参照。ポイントとなるボタン部分は、デコラでは内装向けの特殊なものを使いましたが、再現では手芸店などで手に入るドットボタンで代用しました。バッグや洋服などに使われるものです。芯材となるベニヤはたわまないよう厚さ12ミリに、ウレタンは40ミリなど分厚ければマチを縫う作業が必要になるので10ミリ程度がいいでしょう。家庭では、ケガを防ぐクッションや吸音材、ベッドのヘッドボードの装飾などに応用できると思います。

 ポイント1  モールディング
天井と壁の接合部に使ったモールディングはあえて太めのものを使用。引き締まった印象になるとともに、高級感も出る。今回は樹脂製のモールディングを使用。中が空洞になっていて軽いため、接着剤とタッカーで取り付けられる


 ポイント2  ツートンの壁材

既存天井に合わせ、壁紙も柄物に。ただし、全面に柄があるとごちゃついた感じになるので、上半分を落ち着いた色の板材にした。柄がより際立って見える。


 ポイント3  クッション壁
ボタンや溝の陰影によって、壁紙では出すことのできない立体感を表現でき、奥行きのある空間になる。

 ポイント4  暖炉の枠を加工した棚
壁に取り付けた棚は、暖炉の枠を加工したもの。もともとあった彫刻と、暖炉としての存在感を残すため、柱部分も少し残した。

クッション壁を作ってみよう
使う道具
・カッターナイフ・タッカー・金づち
・台座と打ち棒(ドットボタンキットに付属)・ドライバードリル
使う材料
・ベニヤ(厚さ12ミリ)・スリムビス
・ウレタン(厚さ10ミリ)
・レザー生地・ドットボタンキット

【ドットボタンキット】


①ベニヤのサイズ(今回は縦横ともに400ミリ)に合わせ、ウレタンをカットする


②①よりも上下左右に50ミリずつ大きくレザー生地をカット(縦横ともに500ミリになる)


③下から、レザー生地、ウレタン、ベニヤの順に重ね、折り返したレザー生地の中央をタッカーで留める


④③の向かい側のレザー生地を引っ張りながら折り返し、中央を留める。これを中心に2~3センチ間隔で留めていく


⑤角を折り返し、タッカーで数カ所留める


⑥⑤の隣も折り返し、タッカーで固定。浮きやすい部分は金づちでたたく


⑦レザー生地の残りの部分をタッカーで固定したら、ドットボタンの取り付け位置(端から110ミリ×4カ所)に穴を開ける。レザー生地まで貫通させる



⑧台座にヘッドとバネを載せる


⑨⑧に打ち棒を当て、金づちをたたきながら、ヘッドとバネを一体化させる


⑩壁の取り付け位置を確認したら、ゲンコにスリムビスを通し、⑦の穴から差し込む


⑪⑩をドライバードリルで固定。スリムビスはゲンコをクッション壁に固定するだけでなく、クッション壁を既存壁に固定する役割もある

※既存の壁が石こうボードの場合、強度を確保するため、下地アンカーを打ったり、下地としてベニヤを貼ってからクッション壁を取り付ける


⑫⑪に⑨を取り付け、ビスを隠す



⑬完成




島袋清成(しまぶくろ・きよなり)/INTERIAN代表、インテリアデザイナー。家具デザインを得意とし、インテリアをトータルで提案する。トリップショットホテルズ・コザのリノベーションも手掛けた。
050-1240-4059


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編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1792号・2020年5月8日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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