ローン組むベストタイミングは?|高橋さんのマネー講座[17]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2017年8月25日更新

ローン組むベストタイミングは?|高橋さんのマネー講座[17]

「家を建てて住宅ローンを組むのはできるだけ若い時がいいと思っている方が多くいませんか? 必ずしもそうではないことがあります」とファイナンシャルプランナーの高橋賢二郎さん(46)。今回は住宅ローンを組むベストタイミングをテーマに、考え方や注意点をアドバイスします!

子どもの人数 見通しついてから

想定してる? 不測の事態

若い夫婦ほど慌て過ぎないで

住宅やマンションの見学会に行くと、どうしても早く建てたい気持ちが強くなります。メーカーの方も基本は「今がベストですよ』と言いますし、老後に住宅ローンが残るのが不安なので、早めに買おうと思っても不思議ではありません。
今回、実際によくあるケースに基づいて、注意しておきたい点をご紹介します。

①妻が育児休業を取る場合は注意!
沖縄は共働きが8割以上です。妻の年収も結構家計の大きなシェアを占めている家族が多いですよね。育休の時は1年間給料が大きく下がります。また、3年近く育休を取る方の場合、2年目以降は収入がゼロになったりします。さらに、2人目、3人目と続く場合、数年間も収入ダウンが続きます。皆さんはそうした状況を想定していますか? 子どもが生まれる前は「1年で復帰します」と簡単に言う方が多いですが、実際は2年近く育休を取る方も多くいるのが現実です。

②車の買い替えなどに注意!
20代半ばあたりで購入した車の買い替えが30代になると再びやってきます。夫婦それぞれに車を所有していたら2人とも車の買い替えがあり、2人で400万円以上の出費があったりします。住宅ローンを組んだ直後に、こうした大きな出費が来ることがあった場合、どのように対処するか想定していますか?

③双子の出産なども注意!
最近は結婚時期が遅くなってきているので不妊治療も増えてきています。意外に双子で生まれたりするケースもあります。そうすると教育費が当初の想定の2倍になります。家の間取りも理想と違ってくるケースがありますが、想定していますか?

④その他の想定外の出来事に注意!
夫や妻が病気になったり、生まれた子どもに障害があることも。そうなると夫婦いずれかの仕事が制限されて、大幅収入ダウンとなるケースもあります。未来の不測の事態を想定していますか?



 

ライフプランは変わる!

これら4点から、私が考える住宅を購入するベストタイミングとしては、「家族構成がしっかり見えて、妻が最後の育休から復帰し、収入の落ち込みがなくなった後」です! 人のライフプランはどんどん変化していきます。その中で子どもの人数がどうなるかによって多くの場合、妻の収入は想定外の変化が起こり得ます。家族構成が見えて家を建てることで、見通しが立てやすくなります。それまではしっかり頭金をためておくのです。頭金ゼロでも家は建てられますが、貯金ゼロで家を建てようと思ってはいけません。夫婦で本当に貯蓄ができた実績がないと、住宅ローンを組んだ後も貯金ができない家を多く見てきているからです。
ほかで聞いた話とは違うと思われる方もいるでしょう。あくまで一つの意見です。しかし、一方の側面だけを見るのではなく、こうした反対の意見にも耳を傾けてみて下さい。そこにライフプランの隠れた注意点が見えてくるはずです。家を建てる時はさまざまな専門家のアドバイスを聞いて判断することをオススメします!
 


執筆者
高橋賢二郎(たかはし・けんじろう)
ファイナンシャルプランナー
大阪大学卒業。三菱商事株式会社勤務後、米国留学先で出会った石垣島出身の妻と結婚、沖縄に移住。これまで約1400家族のライフプランニングを手掛けた実績を持つ。


高橋FP事務所
098-943-0205


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「高橋さんのマネー講座」
第1651号・2017年8月25日紙面から掲載

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