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2024年6月7日更新

放置への対応強化 固定資産税6倍に|どうするその空き家 あなたの実家も!?

文/山入端学(全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部事務局長)

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全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部の山入端学さんが、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を紹介。3回目は国が進めるさまざまな仕組み作りや法整備について。
 

放置への対応強化 固定資産税6倍に

所有者の特定
立ち入り調査も


2013年の住宅統計調査の結果から、住まいとしても、その他の目的でも利用されていない「空き家」が年々増加している深刻な状況が浮き彫りになりました。これにより、「空き家対策特別措置法(空き家法)」が翌年11月に公布、翌々年の5月に完全施行されました。

空き家法では、「住民がすべきこと」の中で「空き家の予防」について「空き家にしない・させない・作らない」と定めています。また、対策を講じない所有者を想定した規定「空き家所有者は周辺の住環境に悪影響を及ぼさないよう、適切な空き家の管理に努めなければなりません」とあります。

「市町村ができること」にも次のように触れています。
1.空き家所有者に対してきちんと管理するよう指導する
2.空き家の跡地をもっと活用するよう促進する
3.危険度が高い空き家を「特定空家等」と指定できる
4.特定空き家に対して行政が「代執行」できる

などです。また所有者が不明の場合は「所有者の特定」「空き家の立ち入り調査」などができるようになりました。



命令に背くと罰金
最後は行政代執行


空き家になり10年以上放置されると、シロアリなどの被害により床下の根太が折れ、畳の陥没や床下が湿気・カビ・シロアリなどの原因により腐食。また建物全体の傾きにより、扉、ドア、ふすまなどが正常に閉まらなくなるなど、建物全体の劣化が進みます。

きちんと管理されていない放置・放棄された空き家は「迷惑な空き家」「危険な空き家」として「特定空き家」に認定されます。また、23年6月14日の空き家法の一部改正では、「特定空き家」の改善がみられないことから、その前段階に「管理不全空き家」を創設し対応を強化。「管理不全空き家」「特定空き家」の勧告を受けると、土地の固定資産税が住宅用地特例の対象から除外され、更地の状態と同等の最大約6倍になります。(実は住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用される住宅用地は特例措置があり、固定資産税が軽減されている)

また、「勧告」が進み「命令」に背くと50万円以下の罰金があり、最終的には行政が所有者に代わり対処し、その費用を所有者に請求する「行政代執行」となります。
 




相続登記の義務化
今年4月1日から


相続予定の土地建物、すでにお亡くなりになられた、祖父母や父母の名義になっていませんか?

相続により(遺言含む)不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。

また、遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記の申請をしなければならないこととされました。なお、正当な理由がないにもかかわらず申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。

このように国はこれからますます本格化する空き家問題の解決へ向けてさまざまな仕組みや法整備を行っています。




やまのは・まなぶ
1969年生まれ、名護市在住。昨年、(一社)全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部を設立し事務局長就任。(同)城コーポレーション代表社員。沖縄県宅地建物取引業協会会員。北部地区宅建業者会副会長


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2005号・2024年06月07日紙面から掲載

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