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2021年3月5日更新

衝動買いやムダ遣いの「心理」を探る|お金と暮らし整えよう![12]

文・嘉手苅麗子 (株)アーキラボラフィット チーフプランナー

 「行動経済学」家計を守るヒントに! 

お金と暮らしを整える仕組みづくりを提案してきたこの連載企画も今回が最終回となりました。1年間、お付き合いくださり、ありがとうございます。最終回は人の心の動きに焦点を当てた「行動経済学」のお話です。

人間の日常の行動を観察し、経済学と心理学を組み合わせて分析した「行動経済学」。頭では分かっているのに、つい衝動買いをしたり、ムダ遣いをしたりと思い通りに行動ができないことはありませんか? 行動経済学を知ると身の回りで起こるいろいろな誘惑から家計を守るヒントがつかめますよ。

本当にお得なのか?

例えば、1万円の服が半額に値引きされている場合。基準になるのは割引前の金額。それと比べると安くなっているので、得をしたと感じませんか? これを行動経済学では「アンカリング効果」と言います。

先日、私が欲しくなった某通販番組で見た圧力鍋は1万4800円。元の値段は2万5000円ほど。安くなったから欲しいのか? 元の値段は妥当なのか? 値引きされた金額が通常価格でも買いたいのか? 現在も悩み中で、まだ手が出せずにいます。欲しい商品が提示された金額で損得ではなく、本当に必要なものがどうかを考えることは大切です。

人間は得よりも損したくない
同じ1万円でも、もらってうれしい気持ちより、紛失して損した気持ちのほうが大きく感じます。これを「損失回避」と言います。さらに、1万円もらい、それを無くした場合も、元々自分のお金ではなかったのに「紛失した」というマイナスの部分が大きくなり損をしたと感じてしまいます。こうした「損したくない」気持ちが強いと、冷静な判断がしづらくなります。その一つが保険です。



もらったお金を落とした場合、もらわなかったものとして考えることができず、損した気持ちになってしまう。人にはこうした「損失回避」の傾向がある

購買意欲がかき立てられてしまう広告の例。右側のように基準になる金額があるとお得感が高まり、数量限定されると逃すと損すると感じてしまう

人間は得よりも損したくない

同じ1万円でも、もらってうれしい気持ちより、紛失して損した気持ちのほうが大きく感じます。これを「損失回避」と言います。さらに、1万円もらい、それを無くした場合も、元々自分のお金ではなかったのに「紛失した」というマイナスの部分が大きくなり損をしたと感じてしまいます。こうした「損したくない」気持ちが強いと、冷静な判断がしづらくなります。その一つが保険です。


その保険は本当に必要?

万が一に備える保険。本来は、皆さん安い保険料で高い保障を確保したいはずなのに「掛け捨て」を嫌がり、払ったお金が少しでも戻ってくる「貯蓄型の保険」を好む方が多いように思います。さらに「もし足りなかったら困る」という損したくない気持ちから、保険も過剰に加入しがちです。

必要な保障を備えることは大切ですが、過度な備えはもったいない! 日本は公的保障も充実しています。そこでわが家では、目的別に掛け捨ての定期保険(万が一に備えた家族の生活費)と変額終身保険(自分の葬儀費用)に分けて加入。定期保険は子どもたちが卒業し、落ち着くまでの期間で設定し、過剰にならないようにしています。

この機会に保障と保険料のバランスを考えた保険の見直しや、加入している定期サービスなど余計な支出がないか再確認してみてはいかがでしょうか?=おわり

※変額終身保険=運用実績によっては解約返戻金が元本割れするが、保険金額に最低保障があり運用実績が良ければ保険金が増える保険。​



執筆者
かでかる れいこ
(株)アーキラボ ラフィット勤務。
ファイナンシャルプランナー、家計整理アドバイザーなどお金に関連する資格も複数取得。お金の管理が楽にできる仕組みを常に模索中。 098-988-5128

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1835号 2021年3月5日紙面から掲載

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