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2019年12月27日更新

快適なゼロエネ住宅|(有)フロンティアーズ

[お住まい拝見|冬暖かく夏涼しい]Tさん宅は、外気の影響を受けにくい造りや太陽光発電を搭載することで、年間の1次エネルギー消費量の収支をゼロにした「ゼロエネ住宅」。「冬は暖かく、夏は涼しい。快適です」と語る。


一体的なLDK。部屋のあちこちに換気扇があったり、窓サッシが樹脂だったり、すべての窓にブラインドが設置されていたり、外気の影響を受けにくくする工夫が見える
 

省エネ&売電 光熱費0円

Tさん宅
木造/自由設計/家族6人

LDKは和室まで一体となり、とても伸びやか。キッチン前面の吊り収納を省いたり、蹴上げの無い階段も空間を広く感じさせている。

細部に目を向けると、窓サッシはすべて樹脂製。そして、カーテンの代わりに厚手のブラインドが設置されている。断熱性や気密性を高め、外気の影響を受けにくくする工夫が随所に見られる。これこそが、Tさん宅の真の特徴だ。

「猛暑日でも寒い日でも、上下階1台ずつのエアコンで十分に快適です」とTさん。ことしの夏はエアコンを24時間付けっぱなしにしていたが、「光熱費は以前の家と比べて1万5千円ほど下がりました。新居はオール電化なのに、半分以下になったのでびっくり!」と夫人。さらに7.56キロワットの太陽光発電を搭載しており、売電収益を加えると光熱費は、ほぼ0円だそう。

また部屋のあちこちに換気扇が設置されていて、窓を締め切っていても24時間、自動で温度や湿度を調整してくれる。「雨続きでもジメジメしないし、夏場のムワッとする感じもありません」と話す。「家にいると、外の気温や湿度がまったく分からないんです。薄着で外に出てしまって『寒い!』と驚いたり、夏場はその逆も度々ありました」


3世代、6人が暮らすTさん宅。LDKは和室まで一体となる。1階は約18坪とコンパクトだが、伸びやかで温かみも感じる


樹脂サッシの窓。アルミよりも熱を通しにくく気密性も高い


大小全ての窓にカーテンではなく、空気層のあるハニカム構造の断熱ブラインドを設置している


廊下に机 個室最小限

3世代6人が暮らす。1階の和室は父親の部屋を兼ね、2階には三つの子ども室と夫婦の寝室、計四つがある。夫人は「表に物を置きたくないので各個室に収納を設けたほか、子どもたちの机は一つにまとめて廊下に設置してもらいました」と話す。

コストを抑えるため各個室はシンプルな造りにしたが、壁紙の色やブラインドの色を変えて個性を出した。特に和室は、知り合いの畳店から薦められた桜色の畳と同色のブラインドで温かみのある雰囲気に仕上がっている。

Tさんの職場で手がけた物件だけに、住み心地が顧客の満足度に直結する。「夏涼しく冬暖かなのは実感している。ゆくゆくは蓄電池を入れて、停電時まで快適に過ごせるようにしたい」と話した。


子ども室には机を置かず、2階の廊下に大きなカウンターを設置。「でも、あまり使っていない。皆リビングに下りてくる」と笑う
 


1階の和室は父親の居室。桜色の畳に合わせてブラインドもピンク色にした。シンプルな作りだが、温かみを感じる


2階、次男の部屋。家具が無くスッキリしている。夫人は「各部屋に収納を設けてもらい、表に物を出さないようにしている」と話す
 

ここがポイント
断熱・気密・換気のバランス

住まいの構造や設備の工夫で大幅な省エネを実現し、さらに太陽光発電などでエネルギーを創り出すことで、年間の1次エネルギー消費の収支をゼロにするゼロエネルギーハウス(ZEH)。

そのZEHを実現したTさん宅。手がけた(有)フロンティアーズの伊藝直さんは、「ZEHを実現するために大切なのは断熱、気密、換気のバランス」と話す。

沖縄では、厳しい暑さがエネルギー消費に大きく影響する。強烈な日射熱を室内に入れず(高断熱)、エアコンの冷気を逃がさない(高気密)仕組みが必要。冬場はその逆で、寒さを入れず、暖房を逃がさないようにしなければならない。

家全体を断熱材や気密シートで覆うのはもちろん、「最も熱の出入りが多いのは窓回り。断熱・気密性に優れた樹脂サッシとLow―e複層ガラスを用いている」と話す。さらにぴったり窓を覆う断熱ブラインドを用いて熱の出入りをシャットアウト。三重に対策を施している。「冬場はブラインドを開けて日差しを入れれば室内が暖められ、心地よい温度が保てる」。

高断熱・高気密だけでは汚れた空気が家に溜まるため、計画換気も重要。Tさん宅は70秒ごとに、自動で空気を入れ替える換気システムを導入している。「夏場は室内の冷気をファンに蓄え、外の空気を冷やしてから室内に入れる。同時に湿度も調整しながら空気を循環させるから、空調の効率低下が少ない」と説明する。

太陽光発電は7.56キロワットと一般家庭では大きめなものを搭載。「電気代が浮き、売電収益も得られる。賃貸住宅の家賃+電気代をローン返済に充てると考えれば、マイホームの取得もしやすくなると思う」と話した。


外から見ると、木造とは分からないようなシャープでさわやかな外観。窓は少なくないが、高断熱・高気密な造りでZEHを実現した


換気扇をサーモグラフィーで見た様子。換気はするが外の熱は入れないよう、ファン内で温度や湿度を調整している


[DATA]
家 族 構 成:夫婦、父親、子3人
敷 地 面 積:265.01平方メートル(80.3坪)
1階床面積:59.2平方メートル(17.93坪)
2階床面積:59.2平方メートル(17.93坪)
建 ぺ い 率:23%(許容60%)
容 積 率:23%(許容60%)
用 途 地 域:未指定
躯 体 構 造:木造
設   計:(有)フロンティアーズ  伊藝直
構   造:BX TOSO
電   気:(有)翁長電気工事
水   道:(有)沖水


[問い合わせ先]
 (有)フロンティアーズ
098‐934‐6701
http://www.fts-ok.jp


撮影/矢嶋健吾 編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1773号・2019年12月27日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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