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2019年9月27日更新

庭までひとつなぎ|建築空間アボット

[お住まい拝見|子どもがのびのび育つ平屋]うるま市の住宅地に建つOさん(42)宅。スキップフロアでオープンな子ども室とLDK、庭までがひとつづきにつながる平屋で、子どもたちは元気いっぱい駆け回る。


白を基調にした1階のLDK。中2階を生かしたオープンな子ども室(写真左手)から、東側に広がるウッドデッキ、庭までが一体的につながる


自由に楽しく

Oさん宅
RC造/自由設計/家族6人
家を建てるにあたり、「子どもたちをのびのび育てたい」「人を招いて楽しく過ごせる家にしたい」と考えていたOさん夫妻。まず重視したのは、室内と一体的に使え、自由に行き来できる庭があること。

「私は実家に庭がなかったので、庭は憧れ。逆に妻の実家には庭があって、そこでバーベキューを楽しむ環境で育っている。庭は家づくりで欠かせなかった」とOさんは話す。

24畳の広いLDKの東側に、軒の深いウッドデッキと芝庭が続き、6歳、4歳、3歳、1歳の子どもたちが室内外を駆け回る。庭へは玄関からも直接抜けられるため、「お客さまも気兼ねなく出入りできる」と夫人(37)は喜ぶ。


庭から住宅を見る。最大2.1メートルの深い軒を設けたウッドデッキは、お茶をしたり、寝っ転がっても楽しい。庭は、手入れを考慮して人工芝にし、周囲には防犯のためジャリを敷き詰めた

リビングダイニングをより広く使えるよう、キッチンは壁付けにした。LDK西側には、オープンスペースの子ども室があるため、「料理中でも子どもたちの気配は常に感じられます。横を向けば、庭も子ども室も見えるので安心」。

普段使いの食器はキッチン下に収め、家電や使用頻度の少ない器はキッチン裏に設けられたパントリーに収める。

「家の中で一番、フル活用しているのがパントリー。友人を招いたり、バーベキューをする機会も増えて、楽しみの幅が広がりました」。


LDK脇にある子ども室は、スキップフロアで上下二つの空間に分かれたオープンな造り。LDKより45センチ掘り下げた1階部分は、天井高1.4メートルで隠れ家的な雰囲気。ベッドを置いた中2階は、横桟の手すりで転落を防ぎ、視線を和らげる


中2階の子ども室は、天井高は最大2.2メートル。手すり越しに庭まで見渡せ、高窓から見える空が開放感を高める

夫婦の暮らしが軸
長男が小学校に入学する前に家をと考えていたところ、タイミングよく夫人の実家の近くに土地を購入できた。住宅見学会などに足を運ぶ中、「家の造りが好みで、感覚がとても合う建築士さんに出会い、即断即決で設計をお願いしました」とOさん。

「家は、夫婦が最期まで快適に過ごせることが大事」と考える夫人。子どもが巣立った後を見据え、「平屋で、子ども部屋は、オープンでも見え過ぎないスキップフロアにしたい」と希望した。

上下2層になった子ども室。ベッドを置いた中2階の高窓から見える景色が、家族のお気に入り。

「窓から朝日が入ってくるから、時計いらずで起きられます。夜は寝ながら月や星が見えて気持ちがいい」。自然を感じる暮らしを満喫する。


ここがポイント
庭の回遊性と二層空間
北と南、2面を道路に接し、南北で約1.5メートルの高低差があったOさん宅の敷地。南側は盛り土され、北側道路中心から2メートルのセットバック規制もあった。建築士の當山茂さんは、北側の敷地高に合わせて建物を据え、南側は盛り土を除いて駐車場を設けるプランを提案した。

「建物南側の基礎と外壁を一体化して立ち上げることで、土留めの擁壁を別に設ける必要がなくなり、コストダウンできました」と當山さん。

設計では、子どもたちが元気に走り回れるよう庭とのつながりを重視。LDKや、深い軒を設けたウッドデッキとの連続性はもちろん、玄関ホールやパントリーからも庭に出入りできるようにして、回遊性を持たせた。

スキップフロアになった子ども室の造りも個性的。子ども室部分だけ天井高を上げ、平屋扱いで建てられる最高の高さを活用して、上下2層の空間に。「LDKに面した中央部に、直径25センチの丸柱を建てて天井の荷重を支えることで、幅5.3メートルのオープンな空間ができました」

屋根を片流れにした中2階は、天井高最大2.2メートル。東側に高窓を設け、光と風を取り込む。布団などが収められる収納を設けるため、北側に接するトイレの天井裏を活用するなど、空間を無駄なく活用している。


玄関ホール。奥の扉から庭に出入りできる


キッチン裏のパントリー脇には、造作の洗面台を据え付けた



和室。白を基調とした空間になじむモダンな雰囲気。深いブルーの壁と天井が目を引く


室内物干し場は、壁に設けたスリットから風を、天窓から陽光を取り込む


外観。前面道路に面して駐車場を設け、建物をセットバック。白を基調に、玄関とポーチを目隠しする壁だけを、スギ板で模様付けした打ち放しにすることでアクセントに


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども4人
敷地面積:347.69平方メートル(105.37坪)
1階床面積:118.37平方メートル(35.87坪)
建ぺい率:36.34%(許容50%)
容  積  率:30.04%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設  計:建築空間アボット 當山茂
構  造:(有)建築設計庵 長間大輔
施  工:(株)孝建設 西野義孝、西野哲博
電  気:(資)中江電気建設 仲本潤徳
水  道:(有)名設 知名定武、當山昌広
キッチン:(株)クッチーナ 福田美直


[問い合わせ先]
建築空間アボット
098-937-7334
http://abbot-touyama.boy.jp/


撮影/高野生優・フォトアートたかの 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1760号・2019年9月27日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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