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2016年12月16日更新

築50年余のRC造をリノベ―ション|(株)琉球住樂

沖縄本島南部、南城市に建つ築50年余の鉄筋コンクリート造をリノベーションしたOさん夫妻。台風のたびに雨水が吹き込み、使い勝手も悪かった室内は、子や孫たちが集う大空間となった。

孫も子も集う大空間 2人でも大勢でも快適

Oさん宅 混構造/自由設計/2人

和室から見たLDK。細切れだった和室2間と台所をつなげ広々と。カウンターから手前は既設のRC造、奥は木造で造り直した混構造だが違和感なし


台風のたび悩まされ
「以前の家は庇がなかったので台風のたびに雨水が吹き込んでびしょぬれ。何度も床や天井を張り替えるのはお金がかかるからと、建築士として働く娘婿の提案でリノベーションすることにしたんです」と夫人(78)。
Oさん(81)宅は行事のたびに一族が集まるムートゥヤー(本家)。以前は南側に仏壇のある和室、その裏手に寝室、西側にキッチンのある昔ながらの間取り。「みんなが集まると玄関から靴があふれ、部屋に入りきらない女性陣は台所にいたけれど、暗いし、すだれをしても西日で暑くて大変でした」と振り返る。
そこで「子や孫が集まりやすい」ことに加え、足腰が弱ったOさんと夫人が暮らしやすく、将来は2世帯同居もできる造りへと一新した。

外観に趣 中明るく
鉄筋コンクリート造(以下RC)の骨組みは生かしつつ、一部木造で仕上げた混構造の平屋が完成。焼き杉で覆われた外観は造園業に就く長男が手掛けた生け垣や庭と相まって落ち着いた趣だ。室内に足を踏み入れると、漆喰と木で明るく温かみのある雰囲気へと一転。間口の広い土間玄関からLDKまでつながる大空間が広がっている。
キッチンは夫人念願の対面式に変更。普段はカウンター前の小テーブルが夫妻の居場所だ。「サッと配膳できて夫もあちこち移動しなくていいから便利。庭を眺めながら家事ができるもの気持ちいい!」と夫人。収納も随所にたっぷりと。特に夫人の背丈に合わせた食器棚は「使いやすくてステキ」とお気に入りだ。
行事の際はリビングダイニング、和室まで、テーブルを並べて一族大集合。「夫も交えてみんなで食事したりゲームをしたり」。ひ孫まで含めて総勢23人。顔を見合わせ一緒に過ごせるのが一番と笑う。
住み始めて一年半余り。「この辺りは梅雨になると霧がすごく洋服もカビて大変だったけど、今はその心配もなし。寝室とトイレも近いから夜の夫の介助もしやすい」と暮らしやすさを実感。普段は畑仕事の合間を縫って庭の手入れやゲートボール、裁縫を楽しみ、行事の際はにぎやかに。2人でも大勢でも快適な暮らしが元気の源のようだ。


外観。外壁のうち、家の顔となる玄関から東側(写真右手)と新たに増設した部分(左)は焼き杉で覆い、残りは杉と同系色で塗装することで躯体を保護。焼き杉の落ち着いた趣で、何年も前から建っていたかのように景色になじんでいる


東側から見たポーチ。焼き杉で覆った外観に庭の緑が映える。新設した庇と樹脂サッシが室内への吹き込みを防いでくれる


ここがポイント
開口と配置生かしオープンに

元のOさん宅は、RCの母屋西側に、同じRCでキッチンと水回りを増築。ジョイント部分のコーキングが劣化して雨水が浸透し、増築部分は傷みが激しかった。「そこで状態の良かった母屋の骨組みはそのままに、元のキッチンや水回り、さらに今回新たに増設した個室は、雨じまいがしやすく温かみのある木造で仕上げることに。間取りは既存の開口部と配置を生かしつつオープンにすることで、高齢になる夫妻にとってなじみやすく、一族が集まりやすい住まいとなるよう心掛けた」と建築士の伊良皆盛栄さんは説明する。
暮らしやすさを考える上では、適材適所に設けた収納や動線計画も大切。特にポイントになったのがリビングダイニング脇に設けた収納棚だ。「リビングダイニング側は夫妻それぞれの薬類や郵便物、リモコン、電話などを収めておける収納とし、裏面はストック品や行事道具置き場に。さらにこの棚が目隠しとなることで、来客中も人目を気にせず寝室と水回りを行き来できる」と解説。
寝室は生活時間の違いと介助のしやすさを考え、水回りに近い方をOさん、奥を夫人と一直線に配置。仕切りを取り払えば一部屋での活用も可能だ。和室も引き戸を閉じれば寝室や客間にもなるなど、柔軟に使える造りも考慮した。


玄関。間口の広い土間玄関は大勢が集まる時も出入りしやすく便利。普段は来客とゆんたくしたり、作業場にもなるなど使い勝手も抜群


和室。LDKと一体的に使え、引き戸を閉じればゲストルームにも


キッチンの南側の掃き出し窓は既設の開口部と柱を生かした部分。焼き杉で覆った部分となじませるため茶系で塗装されている


洋室隣のウッドデッキスペースは物干し場にも​


キッチン・浴室・洋間は木造

キッチン背後の食器棚は夫人の背丈に合わせた造り付け。木造で造られているため、天井まで木のぬくもりが漂う


西側の洋室2間は将来の同居に備え、新たに増設した

[DATA]
家族構成:夫婦
敷地面積:374.108㎡(約113.16坪)
1階床面積:123.098㎡(約37.23坪)
建ぺい率:44.54%(許容60%) 容積率:42.47%(許容200%)
用途地域:無指定
躯体構造:RC+木造
設  計:(株)琉球住樂 伊良皆盛栄
施  工:(株)琉球住樂
電  気:テルヤ電気
水  道:海西工業
[設計・問い合わせ先]
(株)琉球住樂
098-852-6936
10raku.co.jp
写真/高野生優/フォトアートたかの撮影  編集/徳正美
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1615号・2016年12月16日紙面から掲載
 

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