お住まい拝見
2015年12月30日更新
集う楽しみ ますます|(株)徳里産業
沖縄本島中部、うるま市の閑静な住宅地にあるKさん(72)宅は、鉄筋コンクリート造2階建て。長年暮らした築50余年のウチナーヤーが老朽化。利便性も考え、新たな土地に新築した。行事には多くの親戚が訪れ、将来は長男一家も同居するため集いを重視。夫人(67)は、「友人を招く機会も増え、毎日が楽しい」とにっこり。
年中行事も快適に
Kさん宅(夫婦 子ども1人 自由設計 RC造)
Kさん宅は、1階にLDKと和室、水回りなどパブリックスペースを配し、2階に個室やプレイルームなどを設けた造り。現在は夫婦と三男の3人で暮らす。
広い玄関に入ってまず目を引くのは、正面にある和室。「造りも仏壇も、愛着のあった以前の家に似せてもらったんです」と夫人はにこやかに話す。
和室の奥にはナチュラルな雰囲気のリビングと、ダイニングキッチンが続き、引き戸を閉めれば各居室が個室として使えるようになっている。
夫人のお気に入りはキッチン。「大人数で使ってもスムーズに作業ができるように」との希望から、壁付けに加え、シンクを配したアイランド型も備える。「とても便利で使いやすい。アイランドキッチンをカウンター代わりに、好きなコーヒーを味わうのが毎日の楽しみです」。
温かさが人を呼ぶ
家づくりのきっかけは、以前の住まいの老朽化。長男の提案で、環境が良く駐車場も取れる土地を探して新築することに。理想的な敷地が見つかり、設計を長男が勤めていた徳里産業に依頼した。室内はバリアフリー。「先々まで見据えて提案してもらえて良かった」と夫人。
冬場に活躍するのが、LDKの床暖房。「長時間の台所仕事も苦になりません」。温かさに誘われ、家族も自然とLDKに集う。夫人は「友人を招くことも増え、にぎやかに。遊びに来る孫と過ごす時間が何より楽しい」と満足そうに笑った。
1階のリビングと和室。奥は玄関。引き戸で仕切ればそれぞれが個室に。和室正面の小上がりになった掃き出し窓はベンチの役割も兼ねている。人がすれ違いやすいよう廊下も広めだ
1階のダイニングキッチン。収納も細かく計画されすっきり
徳里産業担当者に聞く 設計のポイント
光入れ程よい距離も
Kさん宅で、採光と公私の空間を分ける工夫の一つが階段室だ(下写真)。段室の正面奥には水回りがあり、左側に夫婦の寝室、右側にLDKが配置されている。設計担当者は、「階段室は、LDKと寝室の距離を程よく取りながら、ゆるやかにつながる緩衝地帯になっています」と説明する。
階段室の上部は吹き抜けになっていて、2階の窓から入った自然光がキッチンの奥まで届く。「吹き抜けを通して2階の気配も感じられ、コミュニケーションにも役立ちます」。蹴込み板のないスリット階段にしたことで視線が抜け、空間に広がりも生まれている。
家族構成:夫婦、子ども1人
敷地面積:459.01㎡ (約138.8坪)
1階床面積:166.22㎡(約50.3坪) 2階床面積:114.31㎡(約34.6坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造
設 計・施工:(株)徳里産業
[設計・問い合わせ先]
(株)徳里産業
098-956-0789
http://www.tokuzato.co.jp
写 真/比嘉秀明撮影
編 集/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1565号・2015年12月30日紙面から掲載
この記事のキュレーター
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- 比嘉千賀子
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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。