企業・ひとの取り組み
2016年7月15日更新
沖縄産の価値を高めたい|PLANTADOR(プランタドール)
本紙連載「Interior green」では植物の魅力をサッカー選手に例えるなど、ユニークなレクチャーが好評の新城圭吾さん(39)。シンプルでかっこいいプランツコーディネートには、老若男女を問わずファンが多い。
「PLANTADOR」(プランタドール)
代表 新城圭吾さん
植物で魅せる空間提案
―現在の仕事を始めた経緯は?
高校卒業後、プロサッカー選手になりたくてブラジルに渡るもかなわず、帰国後はソムリエを目指すもお酒に弱くて断念。24歳のころ、母に勧められて熊本の専門学校で造園を学びました。でも沖縄に戻ると、会社や店舗向けに観葉植物のリースや管理をする仕事に就くのがやっと。学んだ技術が生かせず違和感を抱く中、見かけた花屋Ru-ga(那覇市)の店舗コーディネートがかっこよくて、ダメもとでお願いしたら雇ってくれて。そこで植物についての基礎から応用、生産者との関わり方などを学び、人としても成長させてもらいました。厳しい修行のおかげで今の僕があります。
―仕事で心掛けていることは?
植物一つ一つに対する生産者の思いを直接聞いて、仕入れること。また、常にお客さまの立場に立った誠実な対応を心掛けています。
植物をコーディネートする際、予算はもちろん大切ですが、植栽や空間を良くしたくて、時には樹種や鉢のデザイン選定などで予算を超えるプラスアルファの提案をすることもあります。僕を信頼して、「そう思うなら、ぜひやってくれ」と言ってくれるお客さまの声がとてもうれしい。リピーターが多く、長いお付き合いがあるのもありがたいです。
―今後の目標は?
沖縄の観葉植物は評価が高いにもかかわらず県内で売れず、県外に流れてしまっているものも多く、もったいない。生産面では後継者問題もあります。僕らの仕事を通して植物のある生活の良さを広め、植物の価値をさらに高めていきたいと思います。
森の中のような店舗
空間づくりのヒントに
2014年、浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo(プランタドール・セグンド)」をオープンさせた新城さん。「店があることで、自分のスタイルを伝えやすくなり、お客さまからの信用にもつながっています」と笑顔で話す。
店内は、まるで森の中に足を踏み入れたように、たくさんの植物が所狭しと飾られている。鉢や小物、雑貨も豊富で、植物との組み合わせ方はどれもおしゃれでかっこいい。
たくさんのグリーンとセンスの良い空間に、「カフェもやってほしい」とのリクエストも多いが、「あくまで植物をメーンに、いろいろな展開を考えていきたい」と模索している。
しんじょう・けいご
1977年、那覇市生まれ。熊本の専門学校で1年間、造園を学び、帰沖後は花屋Ru-gaで7年間修行。2009年に独立。14年に浦添市大平で販売店舗をオープン。観葉植物の販売、店舗・住宅の植栽工事、プランツコーディネートなども行う。
PLANTADOR
浦添市大平2-7-13A-7
098(917)2834
取 材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1593号・2016年7月15日紙面から掲載