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2018年8月24日更新

応援!おきなわ技能五輪・アビリンピック2018|フラワーアレンジメント[4]

15歳以上の障がいのある人が全国から集まり、技能を競う「第38回アビリンピック」が11月に沖縄で開かれる。その出場者を決める県大会が8月11日に行われ、フラワーアレンジメント競技には県立高等特別支援学校の生徒が挑戦。同校3年の太田守紀さん(17)が金賞、同じく3年の山口未鈴さん(17)が銀賞を受賞した。

経験が自信と励み 心つかむアレンジを

フラワーアレンジメント 県大会金賞|太田守紀さん
県大会金賞
太田守紀さん(17)

フラワーアレンジメント 県大会銀賞|山口未鈴さん
県大会銀賞
山口未鈴さん(17)



全国大会目指しライバルと切磋琢磨

太田守紀さん、山口未鈴さんに聞きました

■フラワーアレンジメントを始めたきっかけ、魅力は?

(太田さん)
高校1年生のときに授業でフラワーアレンジメントを教えてもらって始めました。見栄えの良い作品ができたときの達成感が魅力です。また、人に見てもらい「きれいね」などと喜んでもらえるとうれしくなります。もっと人の心をつかむ作品を作りたいです。

(山口さん)
私も授業がきっかけ。それまでは全然、お花に興味はありませんでした(笑)。贈り物を自分で作れるようになったのがうれしい。お母さんの知り合いにプレゼントしたら、すごく喜んでくれました。

■難しいところは?
(太田)
大会では、「花束」「ブライダルブーケ」「アレンジメント」の3課題があるのですが、僕は花束が苦手。バランスよく植物を配置しながら丸い形に整えるのが難しいんです。でも、今日の県予選では、落ち着いて作ることができました。

(山口)
制限時間内に決められた寸法に整えるのが難しい。昨年、全国大会の出場権を得て必死に練習したおかげで手早く作れるようになりました。全国大会で銀賞を取れた時はとてもうれしかったです。今回の県予選では、太田さんの方が完成度が高かった。私の作品は、グリーンが外側にしかなくてバランスが悪かったと思う。

■アビリンピックへの意気込み
(太田)
去年は、山口さんに負けて全国大会に出ることができなかったので、今回出場できることはうれしいです。目指すは金賞と言いたいけど、まずは着実に銅賞を狙います(笑)。

(山口)
今回の県大会では銀賞だったので、まだ全国大会に出場できるか分からないけれど、もし出場できるなら昨年よりうまく作る自信があります!出場の可能性がある限り、練習を続けます。




師匠からアドバイス
全技連マイスター・県フラワー装飾技師会 相談役
東江榮子さん(64)


​全技連マイスター・県フラワー装飾技師会 相談役 東江榮子さん(64)

太田さんは落ち着いて、山口さんは展開に気を付けて、いつも通りで頑張ってほしい!


東江榮子さんに聞きました
■フラワーアレンジメント業界の現状は?

フラワーアレンジメントは、花屋をはじめ、ブライダル関係やアトリエ・教室などで生かせる技術です。携わる方は年々増えてきているように思いますが、現状では人手不足。人材がほしいという花屋は多いです。障がいがあっても、指導・指示する人がいればできる仕事です。去年の全国大会では、花屋など現場で経験を積んでいそうな県外出場者もいらっしゃいました。
太田さんと山口さんが通う学校では、半期に10回程度しか練習する時間がなく、お花に触れる機会が限られています。そんな中でも、彼らは指導を素直に聞き入れて覚える力があり、今回の県大会受賞につながりました。

■仕事の面白さ・厳しさ
人を喜ばせるフラワーアレンジメントの技術は、多くの出会いを与えてくれます。喜んでくれる人や、教え・教えられる人との出会い、触れ合えることが仕事のやりがいですね。
生花を扱う仕事なので、仕入れや維持管理、片付けなど大変なこともあります。競技などでは、使える花の種類が限られていて、それらをどう組み合わせて展開していくのかというのも技術のひとつ。「継続は力なり」と言われるように、技術を磨くには続けていく事が大切ですね。花を見る、触れる機会が多ければ多いほど感性は磨かれます。

■太田さんと山口さんに、激励の一言を!
競技大会に出場した経験は、大きな財産になると思います。出場する本人だけでなく、その家族や学校の生徒、同じ障がいのある人にとっても、励みになるのではないでしょうか。課題の内容を把握し、周りの言うことをよく聞いて、実力を発揮してくれたらと思います。
フラワーアレンジメントのアビリンピックへの参加は、県内では太田さんと山口さんが始めた3年前からと、その歴史は浅いですが、他県と比べて参加者が若いことが特徴です。限られた練習時間でしっかり学び、公開練習などで場に慣れて、本番に挑んでほしいと思います。



おきなわ技能五輪・アビリンピック2018|大会マスコットキャラ 「ワジャサー」
大会マスコットキャラ 「ワジャサー」



おきなわ技能五輪・アビリンピック2018

ことし11月2日(金)~5日(月)に「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」が開かれる。
アビリンピックとは、全国障がい者技能競技大会で、15歳以上の障がいのある人が技能を競い合う。表計算や洋裁、機械CADなど22種目を予定。また、技能五輪とは、23歳以下の若手技能者が全国から集まり、技を競う大会。造園や左官、ウェブデザインや洋菓子製造など42種を予定。
いずれも年1回開催されており、沖縄での開催は初めて。アビリンピックのフラワーアレンジメント競技は奥武山公園で開催される。詳細は「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」のホームページ(http://www.okinawa2018.jp)でチェックできる。

 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1703号・2018年8月24日紙面から掲載

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