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2017年8月18日更新

考えよう!沖縄の省エネ住宅[01]|全建物の省エネが義務化「基準以下は建てられない!?」

文・松田まり子/「建築物省エネ法」施行に伴い、沖縄で住まい造りを考える上で知っておきたい点を、NPO蒸暑地域住まいの研究会の松田まり子さんにつづってもらう

全建物の省エネが義務化

基準以下は建てられない!?

新たなXデー!?

現在家を建てることを計画中の方は、建設費が高騰したり、東京五輪に向けて職人さんが上京し人手が足りなかったり、いろいろ苦労なさっているのではないでしょうか。オリンピックが始まれば、まず職人不足については解消されるかもしれません。ただ、東京五輪が開催される2020年には新たなⅩデーが始まるかもしれません。

建築上では、省エネ法が昨年廃止され、「建築物省エネ法」という新しい法律が制定されました。現在、大規模な建物(延べ床面積2000平方メートル以上)を建てる際にはすでに義務化されており、外皮基準(外気と接している屋根や壁、窓などの性能基準)と一次消費エネルギー基準の二つの基準をクリアしないと、確認申請は通りません。つまり建築できないのです。今後、段階的に中規模の建物(延べ床面積300平方メートル以上)も義務化対象となり、小規模な戸建て住宅を含む全ての建物が2020年には省エネ義務化されていく予定です。

私たちはこれから、この省エネ基準の内容を正しく知ると同時に、その基準が沖縄の気候や風土に適したものであるのか、深く検証する必要があります。

建築物の省エネ技術は、先進国であるヨーロッパや北米など寒冷地から発展してきました。そのため、「高断熱・高気密」の省エネ技術は暖房・冷房エネルギーの削減が基本となっています。グラフ1の地域別の住宅エネルギー消費から分かるように、沖縄県は全国的にみてあまりエネルギーを使わない県です。さらにグラフ2の沖縄県の内訳を見てみると照明エネルギー(20.4%)給湯エネルギー(20.7%)そして冷房エネルギー(15.5%)が大きく占めています。この三大エネルギーをバランス良く削減する必要があります。





 

冷房との正しい付き合い方とは?

沖縄は亜熱帯気候で比較的一年中湿度が高い地域です。中と外の温度差が大きければ大きいほど結露しやすくなります。例えば冷房をつけていた部屋に換気のために窓を開けると、一気に高湿度な空気が冷たい壁に当たり部屋全体結露することになりかねません。沖縄に合った正しい冷房との付き合い方があるはずです。

建築物省エネ法は、夏の冷房活用を推奨する法律です。正しい方向性かもしれませんが、これまで風と共に生きてきた沖縄の暮らしはどう変わっていくのでしょうか。


※グラフ1を基にNPO蒸暑地域住まいの研究会で作成
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1650号・2017年8月18日紙面から掲載

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