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2022年3月18日更新

[沖縄]テレワークを快適にする コワーキングスペース

コロナ禍でテレワークが進む昨今。会社と家に加え、三つ目の仕事場として近年増えているのが「コワーキングスペース」。快適に仕事ができるよう設備やセキュリティー、集中できる環境づくりにこだわる2施設を紹介する。


柔軟に選ぶ場所と時間

コロナ禍で利用増

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「新しい生活様式」の中でテレワークが進められている。テレワークは、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。テレワークを実施している人のうち約9割が自宅で仕事をしている。ただ、「効率が低下して勤務状況が厳しくなった」「仕事をする環境が不十分」といった課題も挙げられている。

そんな中、近年増えているのが「コワーキングスペース」。インターネットやプリンターといった設備が整えられ、複数の企業や個人で一緒に使うオフィスだ。使い方はオフィスの1席を借り、その利用頻度や時間に合わせた料金を支払う。自宅の設備が不十分で仕事に集中できないといった課題を解消してくれる。

県内でhowlive(ハウリブ)5店舗を展開する、マッシグラ沖縄タイムスの大城あさひさんは、「実際、コロナ禍で企業、個人ともに利用者は増えた。コワーキングスペースは三つ目の仕事場となり、自分の働き方に合わせて場所を選べるメリットがある」と話す。個人利用ではテレワークに加え、資格の勉強や副業に活用する人もいるという。

テントやアウトドアチェアなどのキャンプ用品でしつらえたコミュニケーションエリア。食事や会話を楽しむ人も多く、仕事モードをオフにしてくれる空間
テントやアウトドアチェアなどのキャンプ用品でしつらえたコミュニケーションエリア。食事や会話を楽しむ人も多く、仕事モードをオフにしてくれる空間

家具類で切り替える

「仕事にワクワク」をテーマに、キャンプ用品を使ったコミュニケーションエリアが設けられたhowlive読谷残波店。「背景が写真映えするのでウェブ会議や勉強会などで利用する人が多い」と大城あさひさん。一時利用(ドロップイン)料金は15分単位275円で、コミュニケーションエリアに加え、カフェのようなクリエーションエリア、一般的なオフィスに近い集中エリアの3室を行き来できる。「それぞれで雰囲気が違うので、仕事のモードに合わせて活用してほしい」と話した。


howlive 読谷残波岬店

一時利用可・予約不要
平日9~18時
☎098・894・8124
https://howlive.jp/

【設備類】
・別途料金で複合機、フォンブース、会議室の利用可
・テンキーロックで入退室管理
・Wi-Fi(暗号化)
・図書スペース
・コーヒーサーバーなど
 
キャンプ用品はスノーピークというブランドで統一
キャンプ用品はスノーピークというブランドで統一

カフェのようなクリエーションエリア。図書スペースやソファがある。電話使用可能
カフェのようなクリエーションエリア。図書スペースやソファがある。電話使用可能

集中エリアは一般的なオフィスレイアウトに近い。大きなデスクを2~4人で共有する。電話使用不可
集中エリアは一般的なオフィスレイアウトに近い。大きなデスクを2~4人で共有する。電話使用不可
 
ライトが明るくウェブ会議に最適なフォンブース
ライトが明るくウェブ会議に最適なフォンブース


 

テレワークの約9割が在宅

出典:2020年度テレワーク人口実態調査 (端数処理のため合計が一致しない場合がある)
出典:2020年度テレワーク人口実態調査(端数処理のため合計が一致しない場合がある)

国土交通省の調査によると、テレワークをする人の90.3%が在宅勤務という結果に=左図赤枠内パーセントの合計。コワーキングスペースを含むサテライトオフィスは32.7%、駅など移動中や立ち寄った先で仕事するモバイルワークが30.4%となった。テレワークで通勤の負担が減った(73.8%)とメリットを感じる一方、効率低下や長時間勤務など勤務状況が厳しくなった(46.7%)、家具や機器など必要な環境が不十分(35.2%)といった課題が挙げられた。




複数利用でも安心・集中

コワーキングスペースは、セキュリティーがしっかりしていることが特長。mangrove(マングローブ)を運営する、沖縄セルラー電話の大城武史さんは、「カフェなどと違って人の出入りを管理、ネット環境の安全対策もしているので、持ち物やデータが盗まれる心配が少ない」と話す。QRコードや施錠番号など、入退室に必要な情報は利用者にのみ伝えられる。

また、空間づくりや家具にこだわり、仕事に集中できる環境をつくる。例えば、マングローブはブースタイプの囲われたデスクで、視界に入る情報を抑えて目の前のことだけに没頭できる。ハウリブ読谷残波岬店は、テントなどのキャンプ用品を使った非日常空間を設けることで、仕事のオンオフにメリハリがつけられるようにしている。こういった手法は、在宅勤務で集中する際のヒントにもなりそうだ。

ほかにも、電話ができないエリアを設けて音環境に配慮したり、複数人で使える会議室を設けたりと、多様なビジネスシーンに対応。最近はホテルなどにもコワーキングスペースが設けられ、施設によってインテリアやサービスに違いがある。仕事がしやすい場所を探すのもテレワークを快適にする一助になるだろう。

洗練された空港のラウンジをイメージしたという内装。1人用15ブースを用意。電話使用ができないエリアもある。ロッカー利用は無料で、貴重品の管理がしやすい
洗練された空港のラウンジをイメージしたという内装。1人用15ブースを用意。電話使用ができないエリアもある。ロッカー利用は無料で、貴重品の管理がしやすい

囲って集中力アップ

ことし2月にオープンしたmangroveは、「コロナ禍の感染リスクに配慮してブースタイプのデスクにした」と大城武史さん。周囲を見えなくすることで、目の前の仕事にだけ集中できる。アロマディフューザーやタブレットなどの貸し出しも可。一時利用(ドロップイン)料金は30分単位550円。セキュリティーの高さに加え、「建物自体が免震構造ビルで安全なのも特徴。『那覇から、日本と世界の〝これから〟を支援する』をコンセプトに、働き方やビジネスを支えたい」と話した。


mangrove 那覇市旭橋

一時利用可・要予約
平日9~18時
☎098・954・5289
https://mangrove.oct-forest-building.com/

【設備類】
・別途料金で複合機、フォンブース、会議室の利用可
・QRコードによる入退館管理
・Wi-Fi6(高速ネット環境)
・アロマディフューザー
・コーヒーサーバーなど

2人用は2ブースを用意。打ち合わせや共同作業に使える
2人用は2ブースを用意。打ち合わせや共同作業に使える
 
1階エントランス。予約時にメールで受け取るQRコードで入館する
1階エントランス。予約時にメールで受け取るQRコードで入館する
 
会議室は4室を用意。モニターやプロジェクターがレンタルできる
会議室は4室を用意。モニターやプロジェクターがレンタルできる

ウェブ会議などに使えるフォンブースは、換気やスプリンクラー設備付きで安全性に配慮
ウェブ会議などに使えるフォンブースは、換気やスプリンクラー設備付きで安全性に配慮
 

座る姿勢はかかと着け膝90度がベスト

「長時間デスクワークをするとエコノミークラス症候群に。椅子、座る姿勢を整えることで防げる」と教えてくれたのは、ハウリブの大城さん(マッシグラ)。椅子の座面の高さは、かかとが床に着く状態で膝が90度になるのがベスト。背もたれの位置は、膝を90度に保ちつつ深く座り、ふくらはぎと座面の間に指3本分の隙間が空く程度がいいという。高いテーブルなら踏み台で膝の位置を調整してみて。

取材/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1889号・2022年3月18日紙面から掲載

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