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2021年8月20日更新
【沖縄】終活カウンセラーが答える お墓“新築”のQ&A
「親のお墓を建てたい」「自分のお墓を準備したい」と考える人は多い。新しくお墓を“新築”する手順や、最近のお墓事情について、県メモリアル整備協会の富川秀一さんに聞いた。
終活カウンセラーが答える
お墓“新築”のQ&A
Q1 墓地ってどうやって探す?
A 民営墓地が主流。新規で個人墓地や公営墓地を探すのは難しいです 「墓地」とは、お墓を建てる目的で市町村から許可を得た区域のこと。一般的に以下の3種類があります。
①個人墓地
個人が所有している土地に個人の責任(管理責任)で作るお墓。
②公営墓地
市町村などの自治体が経営する墓地
③民営墓地
宗教法人や公益法人が事業主体になっている墓地。「管理型霊園」が多い
現在、新しい墓地開発用地はほとんどありません。さらに自分で所有している土地でも、市町村から許可を得なければお墓を建てることはできません。近年は、都市開発の観点から許可が下りづらくなっているので個人墓地にお墓を建てるのはとても難しいです。公営墓地も非常に少ないため、県内では民営墓地が主流です。
民営墓地は「管理型霊園」が多く、駐車場やトイレなどが完備され、管理者が清掃もしてくれる代わりに、管理料を支払う必要があります。また、墓地を購入するのではなく「墓地使用権」を購入する形になります。
Q2 民営墓地に墓を建てるまでの流れ
場所を決める
県内の民営墓地(管理型霊園)から、希望に合った場所を選びます。ひと口に民営墓地といっても立地も価格もさまざま。当協会は県内で8カ所の墓地を管理していますが、市町村や区画の位置で価格が変わります。実際に見学して、話を聞いて選ぶのが一番良いですよ。
墓地契約
希望通りの区画があれば、契約します。民間霊園の多くが、墓地を購入するのではなく使用する権利を購入することになります。当協会の場合、使用期限は無期限で、親族に継承することもできます。
墓決め〜着工
建売以外は注文生産になります。お墓の種類、サイズ、デザイン、石の種類、彫刻文字などを決めたら工事着工します。注文生産の場合、完成予定日を事前に確認しましょう。
完成~納骨式
完成したら「お清め式」または「納骨式」を行って納骨をします。管理型霊園の場合、依頼すれば事業者がお坊さんや供物類の手配などもしてくれます。
Q3 大きなお墓は必要ないかな…
A 集合住宅のようなお墓や、「永代供養」という方法もあります
いわゆる「一戸建て」タイプのお墓だけでなく、集合住宅のようなお墓=右端写真=も人気です。一戸建てタイプの4分の1程度の価格で、2~4人分納骨できます。
また、「自分のお墓は必要ない」という方は、霊園が管理する合祀墓に納骨し、「永代供養」をするという方法もあります。
さらにことし4月、沖縄市泡瀬に県内初となる室内墓所が完成しました。お墓と納骨堂をミックスした新しいお墓です。
◆新しいお墓の形「室内墓所」
4月に完成した、メモリアル整備協会の室内墓所「久遠の想い」=左写真。参拝室や納骨堂などを併設した建物。
お骨は納骨堂に納められ、手を合わせたい時は参拝室へ。暮石モニターに故人の名前と顔写真が映し出される=下。
「室内のため天気を気にせずお墓参りできる。バリアフリー対応で車いすでもお参りしやすい」と富川さん
◆2~4人用墓
集合住宅のようなお墓もニーズが高い。八重瀬メモリアルパークでも2人用と4人用の墓があるが「4人用はすぐに完売し、新たに建設中。同タイプの墓は50年の期限付きで、期限後は永代供養する」
八重瀬メモリアルパーク所長、終活カウンセラーの富川秀一さん
https://oki-memorial.org/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1859号・2021年8月20日紙面から掲載