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2021年7月16日更新
【沖縄】タプタプおなかは肥満?|ねこと暮らそう[15]
文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
タプタプおなかは肥満?
野生の片りん残す皮膚
猫の体は肉球や毛並みといった手触りの良い部位ばかりです。中でも今回はおなかに注目してお話ししましょう。
わが家の「のす」は、特に太ってはいないんですが、おなかだけタプタプしていて、これが触ると気持ちいい! このタプタプおなかは「プライモーディアルポーチ」という名前が付いていて、その意味は「原始的な袋」。ルーズスキンとも言ったりします。スキンと言うくらいなので、脂肪ではなくゆとりのある皮膚です=写真(1)。
個体差があるため、目立たない子もいます。わが家の「ビビ」も全然目立ちません。
1
のすのプライモーディアルポーチ。脂肪ではなく皮膚なのでつまむと薄く柔らかい
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上から見て胴がくびれているので、肥満ではないのが分かる。胴からおなかがはみ出ている場合は肥満の可能性が高い
皮膚or脂肪 つまんで判断
このプライモーディアルポーチ、存在理由は諸説ありますが、ここでは大まかに三つ挙げます。一つ目は皮膚を緩めることでおなかの血管や内臓などを守り、敵に襲われた時に致命傷を負わないよう進化したという説。二つ目は、走ったり、ジャンプやキックをする時に後ろ足を柔軟に動かせるよう、皮膚に余裕を持つため。三つ目は獲物を食いだめしたり、一度にたくさん食べられるようにという説。全て野性で生き抜くには大事な理由ばかりですね。
一目見ただけではプライモーディアルポーチなのか肥満なのか分からない! 肥満のボーダーラインはどこなの? という疑問もありますよね。太ったかどうかの見分け方としては、おなかをつまんだり触ることで明らかに皮膚じゃなく脂肪が確認できた場合や、猫を上から見てみて、くびれが無く胴の部分からおなかがはみ出している場合には肥満と考えて良いと思います=写真2。
タワーの位置変え飽きさせない
肥満の予防・解消には、おやつやエサの量を減らすことはもちろん、キャットタワーやキャットステップ、キャットウオーク、おもちゃなどを活用してたくさん猫と遊び、運動を積極的に促すことが大事です。
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キャットウオークの死角からおもちゃを見せたり隠したりして遊ぶ様子。遊んでいるのはビビ
特に猫が好むような高い場所に行ける設備は、窓際や部屋全体が見渡せるような場所へ設置することで、猫がより興味を持ってくれると期待できます。
ずっと同じ場所に置いておくと猫も飽きてしまうので、据え置き型のタワーなどは向きや設置場所を変えるのも良いでしょう。わが家はタワーが無いので、キャットステップの高さや角度を変えたり、高い場所に設置したキャットウオークとおもちゃの組み合わせで猫と遊ぶことが多いです=写真)。
タプタプおなかを楽しませてもらいつつ、健康チェックも意識して一石二鳥な触れ合いをしていきましょう!
文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1854号・2021年7月16日紙面から掲載