あなたのリスタートを応援|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[1]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2020年10月16日更新

あなたのリスタートを応援|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[1]

自身も2度の協議離婚を経験した「とまとハウジング」代表の川端ゆかりさんがアドバイス! 離婚を考えた時に知っておきたい不動産の知識と、離婚=すべてがネガティブなわけではないという少しの元気をお届けします。

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あなたのリスタートを応援|「離婚を考えた時」に知っておきたい不動産知識


離婚関連の不動産相談1000件以上

はじめまして。沖縄クチコミ不動産とまとハウジング代表の川端ゆかりと申します。不動産会社を設立した21年前は27歳と若かった私も、脂の乗り切ったままの立派な(?)中年に成長してしまいました。また開業以来21年間「沖縄の不動産売買」を軸にお客さまのさまざまなお話を聞き、お悩みに触れる機会がありました。年輪も重ねてみるもので、現在まで1000件以上「離婚を考えた時の不動産相談」に携わっております。

このページで出会ったあなたに、離婚を考えた時に知っておきたい不動産の知識と、離婚=すべてがネガティブなわけではないという少しの元気を、1年間の連載を通してお届けできたらと考えています。

2度の離婚へて窓口開設

かくいう私も2度の協議離婚経験者なので(元配偶者はすてきな方でした)東や西の方角から自分のこと棚にあげてんじゃねーよ!川満!(川端だよ!)とツッコミを入れられてしまいそうな気がいたします。

経験者としてひとつ言えることは、私の場合「離婚」に関して、乗り越えてみると悔いも恨みもなく感謝とやる気しか残っていないということ。100パーセント自分が正しい、というわけではなくて。凝り固まった自分の醜い内面と向き合うことで、自分自身の人生を受け入れる強さと優しさ、謙虚さが備わった気がします。

もちろん、離婚という経験がないに越したことはないわけですが、今や3組に1組が離婚する時代、また沖縄県においては全国トップの離婚率の高さです。離婚を考えた時の知識や相談というのは、結婚に関する時と同様に、もしかしたらそれ以上に大切なことに思えます。

そのような経緯とコロナ禍の不動産にまつわる離婚相談件数の増加が重なり、2020年10月に沖縄クチコミ不動産とまとハウジング・川端ゆかりと、沖縄移住コーディネートを手掛けるオキナワンスタイル・佐藤和代氏がタッグを組みまして「Re:コンサル〜離婚でお悩みの方の相談窓口〜」のLP(ランディングページ)を立ち上げました。気兼ねなく話せるお友達と専門的な弁護士の間にワンクッションあることでお役に立てることがあるかもしれない、と思い立ちました。

離婚後の生活費、養育費、親の介護、住宅ローン、離婚にまつわるお金の問題など、精神的な負担は多岐にわたります。夢のマイホームが「問題の自宅」に変わることも少なくありません。またマイホームはホールケーキのようにカットできないものです。


離婚時に夫婦の共有財産である住まいについて検討する際は、その後の生活費や養育費、
親の介護などさまざまな点も合わせて考える必要がある


夫婦の数だけ解決方法がある

まず、不動産をお持ちで離婚を考えた時、今後の住宅ローンの返済が頭をよぎるはずです。そのようなときにはまず、住宅ローン残高と現在の住宅の市場価値を把握することが大切です。自宅の価値が住宅ローン残金を上回るのか(アンダーローン)、逆に下回るのか(オーバーローン)によって、考え方に雲泥の差があります。

実際に昨今の沖縄不動産バブルの恩恵(地価高騰)で、新築時+1000万円の価格でマンションを売却できたご夫婦もいます。これまでのご褒美として、お互いの新たなスタート資金として、大変喜ばれました。また、相手が返済していると思っていた住宅ローンが滞っていることに督促が届いた時点で気が付き、慌ててご相談にお見えになるご夫婦もいます。この場合は時間との勝負になることもあり、プロの視点と注意が必要です。

また、同じく持ち家があり離婚を考える場合でも、「世間体やお仏壇の関係からどうしても一歩踏み切れない。でも、なるべく顔を合わせたくない」というケースも増えています。そのようなときには、離婚ではなく自宅の間取りを変えることをおすすめします。いわゆる「家庭内別居リノベ」です。子ども用に使っていた2階のスペースにキッチン、シャワー、トイレを増設してお互い家庭内で自立し適度な距離をキープすることで解決に至るケースがあります。

最終的には法律に基づいて弁護士のお力をお借りするのがベストですが、その手前に、私たち不動産や移住に強い離婚アドバイザーに相談するのも一つの選択肢。もちろん、必ずしも「離婚」「不動産の売却」が着地点ではありません。気持ちと現実を整理した先に夫婦の数だけ問題の解決方法があると確信します。

次回からいよいよ本格スタート! まずは「離婚を思った時に考えること」からお話しさせていただきます。



執筆者 川端ゆかり(かわばた・ゆかり)
1971年、浦添市出身。短期大学卒業後、那覇空港地上職・地元情報誌編集・建設会社不動産部勤務を経て1999年(有)とまとハウジング設立。趣味は猫とお酒と読書、仕事が絡まないゴルフ。https://www.tomato-okinawa.com/rikon/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1815号・2020年10月16日紙面から掲載

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