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2020年7月31日更新
家造り、決め手はコレ!
週刊タイムス住宅新聞の創刊35周年にちなんで、読者から最もよく聞かれる質問に改めて向き合った。それは、ずばり「家造り、どこにお願いすればいいの?」。その答えを経験者(施主)の声や建築関係者へのアンケートから探る
あちこちの会社に見積もり依頼したけど、予算が合わず断念。結局、親戚の家を建てた建設会社を紹介してもらい、予算内で建ててくれるとのことだったので依頼した。(40代女性)
うちの実家は、建築士をしている親戚に依頼。身内なので遠慮して要望も言えないまま家が完成。後悔しているそうです。(50代女性)
見学会を回ったけれど、ときめく家がなかった。もうアパートでいいやと諦めかけた時に、タイムス住宅新聞で見た家にピンときた。その建築士に相談すると予算内で収まる上、こんなこともして良いんだ!ってワクワクした。悩みを一気に解決してくれる建築士に出会えた。 (40代夫婦)
インターネットで県内の建築士を検索。良さげな人には会いに行った。4人目の建築士は年が近くて、何でも話せると思った。雑誌の切り抜きや写真を見ながらやりとりして、イメージした家を形にできた。(40代女性)
建築関係者へのアンケートからひも解く「依頼先選び」
Q1・依頼先選びで重視したいこととは?
家づくりを依頼するとき、何を重視してパートナー(依頼先)を選んだらよいか。専門家のアドバイスを得るため、県内の建築設計事務所や総合建設業など延べ693社を対象にアンケートを実施し、52社から回答を得た。
1位 引き出しの多さ(とても重視36社、重視15社/52社中)
(回答者の声)
設計者とは計画段階から完成後のケア対応まで、長い付き合いになる。設備・構造・コスト調整・施工時の品質監理など、引き出しの多い提案ができるパートナー選定をおすすめする。(50代・建築士)
施主は、それぞれ要望が異なり、できあがる家も違うものになる。また、計画地(敷地)に関わる法規制、コストによっても、設計が大きく左右されるので、それらに対する提案力の豊富さが大切になる。(50代・建築士)
2位 アフターケア(とても重視30社、重視19社/52社中)
(回答者の声)
技術提案力がありアフターケアをしっかりと行える設計事務所を重視して選んでほしいです。どちらが欠けてもダメだと思います。(50代・建築士)
3位 コスト(とても重視27社、重視23社/52社中)
4位 作風(とても重視26社、重視24社/52社中)
(回答者の声)
設計者の住まいへの考え方が形として現れているので、作風を重視したほうがいいと思います。(50代・建築士)
5位 話しやすさ(とても重視25社、重視21社/52社中)
(回答者の声)
52社中設計を依頼する上で、一番重視したほうがいいことは、お互いにしっかりとコミュニケーションがとれる相手なのか見極めることだと思います。(50代・建築士)
Q2・家づくりを考えている人へアドバイス
家づくりのパートナー選びに関するアンケートの自由回答から、これから家づくりをする人に向けたアドバイスをピックアップ。依頼先の探し方や要望を伝える際のアドバイスなどさまざまな声が挙がった。
沖縄の気候風土に適した(特に影や風)建築の提案があるか。(50代・建築士)
SNSの普及などでネットでいくらでも情報が得られる現在。そういったツールを駆使することにたけているほうがパートナーに選ばれる傾向が見受けられるが、そこに落とし穴があることも留意して選定してほしい。(40代・建築士)
増築・建て替え・リノベなどの相談ができる、長く付き合えそうかどうかも大事。(50代・建築士)
建築士の作風や設計のコンセプトが自分たち(施主)の人生観や価値観に合っているかが大きなポイントだと思う。(60代・建築士)
設計者に対して受け身にならず、自身の住宅観を積極的にアピールしてほしい。(40代・建築士)
家をつくることより、家をつくってどんな生活を楽しみたいかを考え相談した方がいい。建築士には遠慮なくやりたいことを伝えた方がいい。(40代・建築士)
建築現場にできる限り足を運んで対応してもらえる設計者が理想です。設計時には見えなかった点、現場での新たな発見を見逃さないことが良い建物を建てるポイントだと思います。(50代・建築士)
自己資金+借入金を包み隠さず話してほしい。(60代・建築士)
気になる設計事務所へ行って、実際に会ってお話をすることが大切です。敷居が高いというイメージはなくしてください。(40代・建築士)
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1804号・2020年7月31日紙面から掲載