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2018年2月23日更新

ポイント押さえセットで加入を|高橋さんのマネー講座[23]

ファイナンシャルプランナーの高橋賢二郎さん(46)が住宅にまつわるマネープランをアドバイス。「住宅が完成した後、火災保険や地震保険にしっかり加入していますか?」と呼びかける高橋さん。今回は火災保険・地震保険のポイントを紹介します。

万一に備え加入したい!

火災保険・地震保険
火災保険は目的別に 津波損害は対象外

家が完成した後、万が一のことを考えて火災保険は必ず入っておきたいものです。火災保険で対象になるものは内容によって差があります。火災だけではなく、風災、建物外部からの衝突、給排水設備の事故による水漏れ、水災などです。各保険会社には、ワイドタイプ、ベーシックタイプ、スリムタイプなど、補償プランがありますので目的に沿ったタイプで加入しましょう。一般的なベーシックタイプに加入していれば、沖縄に多い台風被害に備えた「風災」も含まれているので安心です。注意点として、洪水・高潮の被害の恐れがある海抜の低いエリアや、土砂崩れ・崖崩れなどのリスクがあるエリアは「水災」もしっかり含めたワイドタイプに加入しておくことをおススメします=図1参照。



火災保険とは別に「地震保険」にも加入しておきましょう。実は地震・噴火またはこれらによる津波で生じた損害は火災保険では補償されませんので注意が必要です。火災保険とセットでぜひ加入しておきましょう(地震保険の単独加入はできない)。ちなみに、地震保険は政府と各損害保険会社が共同で運営しているため、補償内容が同じであれば、どこの保険会社でも保険料は一緒です=図2。





費用対効果高い オススメ特約三つ

特約には三つおススメがあります=図3。

  1. 類焼損害補償特約 自分の住まいから発生した火災でご近所の住宅や家財に与えた損害を補償します。10年一括払いでも費用は1万円前後と決して高くありません。ぜひ特約で付加しておきましょう。
  2. 個人賠償責任補償特約 本人または家族が日常生活で他人にケガをさせたり、他人の物に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った場合に備えるものです。火災保険か車の保険に特約で付加できるものですが、思っている以上に大事な補償です。これも10年一括払いでも1万円前後で加入できるので、ぜひ付加しておきましょう。
  3. 免責10万円〜20万円の設定 基本補償に免責金額を設定することで、保険料を抑えた設計が可能な事があります。免責20万円などにすると基本より約30%近く割安になったりします。小さな被害額は自腹でいい、と考える人は免責20万円など設定してもいいでしょう。




沖縄の新築物件は約8割がコンクリート建造物ですが、最近は木造も1〜2割など少し増えてきています。木造の火災保険料は、コンクリートに比べて保険料は実は2〜3倍近く高くなります。例えば居住40年間の間に払う火災保険・地震保険の保険料はコンクリートより総額150万円〜200万円高くなったりします。建築総額以外にかかる維持費としてぜひ頭に入れておきたいところです。

火災保険や地震保険は一度加入すると意外と見直す機会がない方も多くいます。大事なマイホーム、補償内容をしっかり検討して上手に加入しましょう!






執筆者
高橋賢二郎(たかはし・けんじろう)
ファイナンシャルプランナー
大阪大学卒業。三菱商事株式会社勤務後、米国留学先で出会った石垣島出身の妻と結婚、沖縄に移住。これまで約1500家族のライフプランニングを手掛けた実績を持つ。


高橋FP事務所
098-943-0205


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「高橋さんのマネー講座」
第1677号・2018年2月23日紙面から掲載

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