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2015年8月14日更新

家中で緑と空眺め のんびりゆったり|Arms DESIGN(アームスデザイン)

沖縄本島中部、建物が整然と並ぶ閑静な住宅地に建つKさん(80)宅。Kさん夫妻と娘さんが暮らす平屋建ての住まいは、ライトコート(家の中央にある中庭)と各所に設けた光庭の四つの庭から穏やかな光が広がり、明るく落ち着いた雰囲気。好きな庭木や草花の手入れをしながらのんびりゆったり、暮らしを楽しんでいる。

四つの庭が心地良さ生む

Kさん宅(家族3人 自由設計 補強CB造)


家族が集う1階の明るいリビング。家の中央に設けられたライトコート(右側)から光や風が抜け、爽やかな雰囲気。離れて暮らす孫や子どもたちとゆっくり過ごす時間も増えたという 


大きな庇がある玄関ポーチを進むと、光庭から自然光が差し込む玄関ホールが、訪れる人を爽やかに迎える。「光の加減がちょうどいいあんばいで、父が新聞を読む場所でもあるんです」と話す娘さん。
広々とした玄関の先には対面式キッチンのあるLDK、和室が続き、家の中心にあるライトコートを囲むように個室や水回りが並ぶ。ぐるり一周できる回遊性が暮らしやすさに、さらに各所に設けた光庭や建物周囲の植栽が心地良さを一層高めている。
「家族にちょうどいい広さ。明るいし、空や緑が見えて気持ち良く過ごせる」と夫妻。
シマトネリコと草花が彩りを添えるライトコートは、採光や通風を促すだけでなく、夫人が趣味を楽しんだり、家族をつなぐ役目も。「憩いの場になるからいいね。遊びに来た孫とシャボン玉をしたり、庭いじりもできます」。

生活ラクに安心に
家造りのきっかけは、築35年になる住宅の老朽化だった。設計者選びなどは、娘さんと妹夫妻が中心となって進めることに。Kさんは、もとからあったクロキや植栽の植え替えについて、造園会社との打ち合わせを担当した。
家族みんなで話し合った理想の住まいは、平屋建てで動きやすい広さ。十分な収納スペースと庭いじりが気軽にできることなどだった。設計は知人を介して知り合った建築士に依頼。「話がしやすく、細やかに対応してくれる」ことが決め手だった。
7カ月後、「眺めが楽しめる」住まいが完成した。「庭それぞれに昼と夜、趣の異なる雰囲気が楽しめます」と娘さん。夫人も「庭いじりや炊事洗濯がスムーズにできるのでラクですよ」と笑う。
一番の喜びは、遊びに来た孫と過ごしたり、くつろぐ時間が増えたこと。家の中にも草花が増え以前より季節感を感じるようになった。


ライトコートとつながり明るいLDK。コート越しに家族の様子も伝わる


玄関を入って正面(写真右)のニッチには草花を飾って季節の彩り


和室。Kさんの好きなクロキの眺めが楽しめる


各部屋へ採光と通風を促すライトコート。Kさん夫妻いわく「こんな中庭のある家を見たことがなくて最初は驚いた」という。今では孫との遊び場、夫人の趣味の園芸を楽しむスペースでもある


ここがポイント
家事も効率良く楽 住み心地をアップ

家造りにあたり子どもたちが一番に気配りをしたのが、「80歳を目前にした両親が安心・安全に過ごせること」だった。そのため、以前の住まいで不便に感じたことや使いづらい箇所などを見直して必要な機能を挙げた。
玄関周りの移動のしやすさを考え、駐車場から玄関まで屋根付きで雨にぬれないこと。家事がスムーズにこなせる造り。収納スペースを十分に確保するなどの希望とともに、必要な部屋数・広さも図面に描いて内容を共有した。
設計の依頼を受けたアームスデザインは、それらを基に暮らし心地を高めるための仕掛けを検討。通風・採光を促すため家の中心にライトコート(家の中央の中庭)を、暗くなりがちな廊下奥などに光庭を配したプランを提案した。植物が好きな家族がいつでも緑を楽しめるほか、ライトコートは家族の気配を伝え、さり気なく見守りができる効果も担う。
家事のしやすさに考慮した造りも見どころ。ダイニングから廊下を挟んでトイレや洗面室、浴室まで一直線に並べて動線を短く。さらに来客時でも家事がしやすいよう廊下とは別に、キッチンから物干場、浴室までの動線も確保。家事カウンターや食品庫も並べた。これらの工夫で、キッチン周りがすっきり使える。
「家は生活のしやすさや安全性、開放感や好きなことを楽しめる要素も大切」と設計者の城間聡さん。Kさん宅の場合、その役目を担うのが、四つの庭と、クロキの植栽スペース。「ライトコートやウッドデッキに接するリビングや和室の窓を開けると、内外がつながる開放空間となり広々。遊びに来た家族も気兼ねなく過ごせると思います」。
すっきりシンプルな空間に、暮らしを楽しませる心遣いが詰まっている。


すっきりとしたキッチン。正面奥が大容量が収まる広さを確保した食品庫


ゲスト用トイレ。玄関同様に光庭から自然光が広がり、明るく爽やかな雰囲気


駐車スペースと玄関ポーチ上にせり出す、大きな庇が特徴的なKさん宅の外観。雨の日でもぬれずに出入りできる。カーポート手前(左)のひんぷんは、Kさんが好きな赤瓦でデザイン。「実は父は赤瓦屋根を希望していましたが、私と母がシンプルな外観が好みで父の希望を却下したので、建築士さんがひんぷんに取り入れてくれました」と娘さん。また、高さを抑えた外壁の一部には花ブロック(右)をあしらうなど、沖縄の素材を軽やかにデザイン

[DATA]
家族構成:夫婦、娘
敷地面積:362.79㎡(約109.74坪)
1階床面積:144.13㎡(約43.6坪)
建ぺい率:47.49%(許容60%) 容積率:39.72%(許容200%)
用途地域:第一種中高層住居専用地域
躯体構造:補強コンクリートブロック造
設 計:ArmsDESIGN 城間 聡、西村 修
施 工:(有)仲地建設
電 気:旭電気工事社
水 道:ワタル設備
稙 栽:盛造園

[設計・問い合わせ先]
ArmsDESIGN(アームスデザイン)
098-988-4242
http://www.arms‐okinawa.com
写 真/高野生優・フォトアートたかの撮影
編 集/週刊タイムス住宅新聞編集部

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1545号・2015年8月14日紙面から掲載

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