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2016年8月5日更新

海眺めてリラックス|(有)真玉橋設計事務所

「海を眺めながらリラックスできる家に」とZさん(37)が沖縄県金武町の高台に建てたのは、広いテラスや芝庭を囲むコの字型の平屋。家中が子どもたちの格好の遊び場だ。


高台の傾斜地 テラス囲む平屋

Zさん宅 RC造/自由設計/家族5人
   

沖縄県本島中部の金武湾を臨む1階のリビング。掃き出し窓を開け放てば広々としたテラス、芝庭が目の前に広がり、海の眺めと相まってリゾート感を演出。子どもたちははだしで駆け出していく


くつろぎ遊び集うテラス

Zさん宅で印象的なのが、真っ白な室内に、青い空と海、緑の芝庭が映える広々としたLDKだ。
特に南に隣接するテラスは奥行きがリビングの1・5倍と広々。「芝庭の面積が大きいと手入れが大変でしょ。何より室内からそのまま走って出られたら子どもたちも楽しいだろうなと思って」とZさん。その狙い通り、3人の子どもたちにとっては家中が遊び場だ。

夫人がママ友を招く際は、親子合わせて20人以上が大集合。「掃き出し窓を開ければLDKからテラス、芝庭、子ども部屋まで全部つながるから、みんな思い思いの場所でくつろいでいます。子どもにも目が届くので安心ですしね」とにぎやかな集いを楽しむ。

Zさんも「一番気に入っているのはテラス。夜、寝転がっていると流れ星が見え、波の音も聞こえるんですよ」と満足げ。くつろぎ、遊び、集う―。テラスは家族みんなの第2のリビングだ。


家事はラクに楽しく

昔から「35歳までには家を建てると決めていた」というZさん。実家の隣にある土地を購入。プランは何カ所も見学会を回り「躯体もしっかり、デザイン的にもいい!」と感じた設計事務所に即決した。

Zさんが思い描いたのは「帰ってきた時にホッとでき」「家族が伸び伸び集える家」。子どもたちが成長した時を見越して駐車スペースや洗面所は広く取り、トイレも2カ所に。夫人は「共働きなのでスムーズに楽しく家事ができるように」と、動線や収納など女性の設計担当者と細かく検討した。

サービスコートは洗濯物が濡れないよう屋根付きにし、家族の衣類を収納するウオークインクロゼットは広めに取って壁紙はカラフルに。「子どもが小さいのでテーブルや床にモノを置いておけないんですが、あちこちに収納があるので助かってます」と喜ぶ。

「子どもたちが元気に走り回っている姿を見ていると、家を建ててよかったと思う。仕事も頑張れるしね」とZさん。念願のわが家は、一家の元気の源になっているようだ。


1階キッチンからLDKと和室を見る。「子どもたちがどこで遊んでいてもキッチンから見えるので安心。海や芝庭を眺めながら家事をできるのも気持ちいい!」と夫人。和室は夫人の母親が遊びに来た時の客間にもなる


玄関。正面(左手)の壁はピクチャーレールを取り付け、子どもの絵を飾ってギャラリー風に活用。右手はシューズクローク。掃除機や文房具類、オムツやティッシュなどのストック品も収納


洗面スペース。幅広のカウンターはアイロンスペースにも。引き戸奥が屋根付きのサービスコートで、取り込んだ洗濯物はそのまま左後ろのウオークインクロゼットへ収納でき便利


庭から住宅を見る。テラスはリビングの1.5倍の奥行きがあり広々。写真右手、東側に並ぶ寝室や子ども室などのプライベートスペースからもテラスに直接行き来できる


通りから見た西側外観。駐車スペースは濡れずに玄関まで行き来できるよう軒を伸ばし雨よけに。通りからの視線を遮るポーチの西側壁面は、圧迫感を軽減するため地面から浮かせている


アプローチからポーチを見る。ポーチの下、階段奥はアウトドア用品などを収納する倉庫として活用。駐車スペースの壁面と階段右手の壁面が擁壁代わりになっている


ここがポイント
対比で開放感アップ

Zさん夫妻の要望は、大きく分けて①海を眺めリラックスしたい②家族が伸び伸び過ごせるように③効率のいい家事動線④雨でも濡れずに車と玄関を行き来したい⑤プライバシーの確保、の五つ。

①②に対しては、南側の実家と南西側に建つ住宅の間、海が見える位置にリビングがくるようパブリックスペースを配置。そこを軸に、西側に駐車スペースと玄関ポーチ、東側にプライベートスペースを設け、テラスと芝庭を囲むようにコの字型に建物を設けた。これにより、来客時でも互いに気兼ねなく過ごせるだけでなく、「壁に覆われたアプローチから一転、LDKの開放感が増す効果も狙った」と設計した比嘉美幸さん、野里雅樹さんは説明。テラスをリビングの1・5倍と広めに取ったことでさらに非日常感を演出。リゾート気分でくつろぐだけでなく、バーベキューや水遊びもできるなど、使い勝手も高めている。

③は、ウオークインクロゼットから脱衣室、浴室、洗面スペース、サービスコートまでを直線でつなぐことで、短い動線で行き来できるよう計画。随所に設けた収納のおかげで床にモノを置かずに済み、「掃除がしやすい」と夫人。
また玄関からアプローチ、駐車場へと続くコンクリート壁を設け土留め代わりにすることで、擁壁に掛かるコストを削減。駐車場の軒を伸ばし、ポーチには目隠し壁を設けることで④⑤の要望を実現した。


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:451.23㎡(約136.5坪)
1階床面積:153.94㎡(約46.65坪)
建ぺい率:45.65%(許容70%)
容積率:36.51%(許容400%)
用途地域:指定なし
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造
設 計:㈲真玉橋設計事務所
野里雅樹・比嘉美幸
構 造:与儀建築工房 他10社の分離発注
施 工:㈱孝建設
電 気:㈲沖縄総設
水 道:㈲邦設

[設計・問い合わせ先]
㈲真玉橋設計事務所
098-937-2777
http://www.madanbashi.com
写真/比嘉秀明撮影
編集/徳正美
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1596号・2016年8月5日紙面から掲載
 

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