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2025年4月4日更新
先進的窓リノベ事業|窓の断熱リフォームに最大200万円の補助金|そろそろ補修・改修
国は住宅の省エネ化を推進している。その一環として2023年から実施している「先進的窓リノベ事業」では、内窓設置や外窓交換などのリフォーム工事に最大200万円を補助する。同事業の詳細や窓断熱のメリットを琉球 YKK AP 工業の坂上勉会長とYKK APの古賀茉莉係長に聞いた。

窓の断熱リフォームに最大200万円の補助金
国は住宅の省エネ化を推進している。その一環として2023年から実施している「先進的窓リノベ事業」では、内窓設置や外窓交換などのリフォーム工事に最大200万円を補助する。同事業の詳細や窓断熱のメリットを琉球 YKK AP 工業の坂上勉会長とYKK APの古賀茉莉係長に聞いた。

坂上勉さん/琉球YKK AP工業の取締役会長(右)
※昨年YKK APのグループ会社になった金秀アルミ工業が4月1日から社名変更した
古賀茉莉さん/YKK AP広報室 報道グループ係長(左)
窓断熱で冷房効率アップ
住まいの中で、熱の出入りが多いのは圧倒的に窓だ=下図。「特に沖縄では夏場、窓から外の熱が流入してくることで冷房の効きが悪くなり、光熱費や涼感に大きく影響する」と坂上会長は話す。
国も、住まいの省エネ化において窓の断熱が重要であるとして、2023年から断熱窓の導入に対する大規模な補助金事業を実施している。それが「先進的窓リノベ事業」だ。下記のような窓の断熱性能を高めるリフォームをした場合、半額相当が還元される。上限は1戸あたり200万円。
「先進的窓リノベ事業」対象リフォーム


古賀係長は「窓のリフォームは『金額が高そう』『大がかりな工事になりそう』と思われているが、実はそうでもない」と話す。YKK APによると、内窓の設置は商品代+工事費で6万円から、1窓あたり60分程度で設置可能=下記参照。「先進的窓リノベ事業を利用すればかなりお得にリフォームできる。窓リフォームに対し、ここまで補助額が大きい事業は今年が最後になると思われる。ぜひ、利用してほしい」と古賀係長は力を込めた。
樹脂窓リフォームの参考価格(引き違い窓)

商品代+工事費+税(YKK AP資料より)
「先進的窓リノベ事業」申請の流れ

防音・防犯にも一役
窓断熱をすると、エアコン効率がアップすることから、光熱費の削減になる。さらに「内窓を付けたことで防音性がアップしたとか、防犯につながっているという声も寄せられている。また、ヒートショックのリスクを低減するなど家計が助かるだけでなく健康維持や安全にも役立つ」と古賀係長。しかし、県内では窓リフォームが広まっていない。先進的窓リノベ事業の沖縄の申請数は、全国で最も少なく、32戸(24年3月時点)。1位の東京都が1万4972戸、46位の高知県が879戸なのと比べると、県内の申請数は極めて少ない。坂上会長は「昔は『夏場は窓を開ければいい』と思われていたが熱中症のリスクもあるため今は冷房を使うのが当たり前の時代。冷房効率を上げるには窓の断熱はとても重要」と話す。
同事業は、事業者登録をしている会社による工事が対象だが、沖縄はその登録事業者が全国で最も少ないことも、申請数が伸びない要因だと指摘する。
「まずは多くの方々に窓断熱のメリットを知っていただきたい。そして、同事業の期限内に断熱窓へのリフォームを勧める」と呼びかけた。
詳細は「先進的窓リノベ事業2025」(環境省)のホームページで確認できる https://window-renovation2025.env.go.jp/ |
取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2048号・2025年04月04日紙面から掲載
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。