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2019年8月23日更新

内装や家具の色変え 客室に個性を演出|HOTELに習う空間づくり[4]

当連載では県内のホテルを例に、上質で心地良い空間をつくるヒントを紹介する。

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テラスガーデン美浜リゾート(北谷)
空間コンセプト「沖縄の我が家」

離島をイメージして色選び

14室の客室には、それぞれ県内の離島をイメージしたテーマがある。701号室は「渡嘉敷島」。ケラマブルーの海と白い砂浜をソファや床で表現=写真1。402号室は「久米島」で、名所の畳石を模した床のタイルが印象的=2。801号室は聖地「久高島」。モノトーンの内装に、神秘的な藤色のテーブルや椅子が彩りを添える=3。

実はこの14室、ほぼ同じ間取りで同じ家具を用いているが、床材やカーテン、家具の色を変えて個性を演出している。

8月1日にリニューアルオープンした「テラスガーデン美浜リゾート」。2階にあったレストランも客室に改装し、その特別室1室を加えた全15室で稼働する。以前から客室ごとのテーマはあったが、今回の改装で内装全体に反映させ、より濃く打ち出した。

客室のテーマは、同ホテルの外間美咲支配人ら女性スタッフが中心となって決めた。ハートロックで有名な「古宇利島」をイメージして桃色をポイント使いした部屋や、最西端の「与那国島」の夕日を真っ赤なソファで模した部屋もある。ロマンチックな演出で「リピーターのお客さまにも楽しんでいただきたい」と語る。

設計や施工、家具の発注などを行った㈱ナイソの宮田達也次長は「上品な雰囲気を損なわないよう心掛けた。色味が強いものはポイントを絞って使っている」と語る。各客室とも天井と壁は、ベージュか白で統一。「カーテンボックスや窓サッシの色は、あえて壁の色と同化させ、家具や小物のポイント色が生きるようにしている」

レストランは特別室に改装
間取りも大きく変更した。リニューアル前は、リビングとベッドルームが一体となっていた。開放的で好評だったが「国道に面しているので、外の音が気になるという声もちらほらあった」と外間支配人。そこで、リビングとベッドルームを分けた。ベッドルームににするために造った個室には既存の窓があったものの、遮音効果の高い生地を張って防音した=4。宮田さんは「窓を密封するように施工して、遮音・遮光効果を高めている」と説明する。

レストランをリノベーションして造った2階の特別室は、他の客室の倍近い180平方㍍もあり、広々している=5,6,7。黒やダークブラウンの調度品がモダンな印象だ。全面にあった窓には、重厚な木の引き戸を設置。目隠しと防音の機能に加え、高級感を演出する。ベッドの背面にある壁は、デニム生地を使用した『デニムウォール』。カジュアルなイメージのデニムだが、落ち着いた紺色が高級感ある特別室にマッチしている。

レストランを無くしたため、朝食はワゴンサービスで各客室に提供するスタイルに変えた。「改修したことによって、さらにくつろげ、楽しんでいただける空間になっています」と外間支配人は胸を張る。

爽やか、モダン、ロマンチック-。カタチは同じでも、色や質感で空間の印象はガラリと変えられる。「ホテルとしても非常に魅力的ですが、ショールームとしての効果も大きい。多くの方に宿泊してほしい」と宮田さんは話した。



.701号室は「渡嘉敷島」がテーマ。ソファの青と白い床で、美しいケラマブルーの海を表す。特別室以外の客室は同じ間取り、同じ家具を用いているが、内装材や家具の色を変えて個性を演出



.402号室は「久米島」。タイルは畳石をイメージ。外間支配人は「バランスも試行錯誤しました。白は印象が強いので少なめにしています」と話す



.パワースポット「久高島」をテーマにした801号室。藤色のテーブルや窓際の椅子からエネルギーを感じる



.3~9階のベッドルーム。改装前はリビングと一体となっていたが、よりリラックスしてもらおうと別々にした。ベッド背面には既存の窓があったが、遮音布を張って対策








.
レストランがあった2階は180平方メートルもある特別室に改装。重厚感ある家具や内装材で彩る。全面に合った窓には木の引き戸を設置。開ければ、目の前は国道58号。だが閉めていれば音も気にならない。広々としたテラスで食事を楽しむこともできる


取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1755号・2019年8月23日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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