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2022年3月4日更新

[沖縄]建設業界で働く女性|3月8日は国際女性デー②

さまざな業界で活躍する女性が増えているが建設業界ではまだまだ少数。その中で、ひたむきかつ、しなやかに働く4人の女性を紹介する。


木や庭整えて喜ぶ笑顔を共有


造園技能士 末吉園(株)
浅野遊子さん

あさの・ゆうこ/1976年、岡山県出身。武蔵野美術大学彫刻学科卒業。2007年、沖縄に移住。15年、具志川職業能力開発校造園ガーデニング科を卒業し、末吉園㈱に入社。1級造園施工管理技士、1級土木施工管理技士、1級造園技能士、1級室内園芸装飾技能士などの資格を持つ


「奥が深く、覚える事もたくさんある仕事だからこそ楽しいし、やりがいも感じる」


高所作業車を自在に操り、伸びたアコウの枝をチェーンソーで大胆に切っていく。そうかと思えば、はしごを使ってマツの木に登り、繊細にはさみを動かして剪定。石を組んだり、園路を造ったり、パワーショベルで伐採や整地をすることもある。

末吉園(株)の浅野遊子さん(45)は、庭の施工や街路樹の維持管理などをする造園技能士だ。やることは幅広いが、常に「お客さんの要望と植物の特性を踏まえた上で、どうすれば良い出来栄えになるか」を考える。

「それらの要素が整えば木や庭の見栄えだけでなく、建物の印象も良くなる。仕上がりを見た人が笑顔で喜んでくれて、気持ちを共有できた時はうれしいですね」

また、言葉を発せない植物から変化を感じ取り、手を加える部分に「育児と通ずるところがある」と、難しさと醍醐味(だいごみ)も感じている。


納得できるまでやる

植物好きな両親の影響もあり造園の道へ。「まずは基本を」と入学した職業訓練校での授業は充実しており、中でも庭石の配置などを学ぶ石組みの授業は印象的だった。「私が並べた石を、先生が少し向きを変えたんです。それだけで景色がガラッと変わり、感動しました」

扱うのは一つ一つが唯一無二の自然の物。正解がなく、センス次第で印象が変わる造園に対し、「奥が深くて面白い。今はまだ分からない感覚を分かるようになりたい」と思った。

本格的に造園に携わって7年。最初は女性だからと気を使われることもあった。「やるなら自分が納得できるまでやる」という性格と、「女性でも挑戦させてもらえる会社の環境」により、さまざまな資格や免許を取得。昼休みに勉強したり、終業後に練習するなど、自身の努力のたまものでもあるだろう。今では現場での作業の幅も広がり、公共工事の現場代理人も務める。

それでも「造園技能士としてはまだまだ」と話す。植物のことだけでなく、電気や水道、土質、気候、風水、習慣、空間美など学ぶことがたくさんあるからだ。

だが浅野さんは「大変だと感じたことはない。むしろやることが多いからこそ、できるようになるのが楽しいし、やりがいにもつながる。だから飽き症な私でも続けられるんです」と笑う。

「一人前の職人になって自分にしかできないような庭を造りたい」と現場で学び続ける。

高所作業車のかご部分に乗って剪定する浅野さん。木のそばで作業するため全体を把握するのは難しい。地上に降りて確認したり、想像しながら切っていく
高所作業車のかご部分に乗って剪定する浅野さん。木のそばで作業するため全体を把握するのは難しい。地上に降りて確認したり、想像しながら切っていく

浅野さんが施工を手掛けた住宅の庭
浅野さんが施工を手掛けた住宅の庭

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取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1887号・2022年3月4日紙面から掲載

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「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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