「終の棲家」早めに確保|岡田流!現代人のマネー術[6]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2018年9月21日更新

「終の棲家」早めに確保|岡田流!現代人のマネー術[6]

文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)

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おひとりさまの老後プラン

「おひとりさま」でいる理由は人それぞれですが、40歳前後の独身女性が未来を見据えて人生を楽しむためには①心身の健康②住居の確保③経済的自立④社会とつながる、の4要素が必要です。ここではマネーと関わりが深い②住居の確保と③経済的自立に着目して紹介します。

3人に1人は独身に
2015年の国勢調査によると40~44歳女性の28.2%、3.5人に1人が独身(未婚、死別、離別のいずれかの状態)でした=下表①。2030年には60~64歳女性の32.5%、3人に1人が独身と推定され、独身女性は増加傾向にあります(国立社会保障・人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計2018年より)。

ちなみに全国の生涯未婚率(50歳まで結婚経験のない人の割合)は、女性は14.06%と1990年の4.3%に比べ3倍以上に増加。沖縄女性は16.36%(全国3位)と全国的に見ても独身者が多いことが分かっています(2015年国勢調査より)。





老後は自分の力が頼り
生涯独身の予感がしたら住み続けられる住居を確保し、老後資金プランを計画して確実に実行することが大切です。老後の安定は安心して住める場所が確保済みであることが大前提なので、老後の住居にポイントをみてみましょう。

住まいの選択肢は①賃貸②実家を引き継ぐ③購入の三つです。いずれのパターンでも住居資金計画が必要なので、おひとりさまは「終(つい)の棲家(すみか)」を意識した住宅選びを早めに着手しましょう。

▼賃貸住宅に住み続ける
メリットは好きな場所に好きな年月住めること。デメリットは家賃支払いが終身続き、自分の資産にならない。今後の注意点は高齢者の賃貸契約が難しい傾向に留意しましょう。今の家は寿命まで住める家ですか? 家賃はずっと払える金額ですか? 生涯おひとりさまの可能性を感じたら、「終の棲家」を視野に入れて早めに物件選びをしましょう。

▼実家を引き継ぐ(相続)
取得時の経済負担が軽い半面、築年数によって資金計画が必要です。実家は築何年ですか? 古い家は外壁、屋根、水回りのメンテナンスが必須です。老後に支払う修理代やリフォーム代は借金無しで出せるよう資金計画を立てます。

▼家・マンションを購入
買いたいけれど結婚するかもと悩むうちにタイミングを逃す傾向があります。住宅ローンは最長35年なので、返済能力を考慮して35歳くらいまでに検討するのが無難。ファイナンシャルプランナーに相談して老後資金と住宅ローンが両立可能か確認した上で購入決断をお勧めします。

ローン負担は持ち家のデメリットです。しかし、住み慣れた家にずっと住める安心感は何物にも代えがたく、いざとなれば売却や賃貸物件として収入を得て老人ホーム入居費用に充てるなど資産価値がある点が賃貸物件と大きく異なります。



執筆者
岡田有里(ファイナンシャルプランナー)
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「岡田流!現代人のマネー術」
第1707号・2018年9月21日紙面から掲載

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