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2018年11月9日更新

キッチン軸に楽しく!|(有)武一建設

[お住まい拝見・奥行き13メートル 動線短く広がりも]Sさん宅は「料理好きの夫人がキッチンにいて楽しい家」。家中が見渡せ、明るく広々。奥行き13メートルながら、キッチンを軸にしたことで各所へのアクセスも良好だ。


リビング側からキッチン、ダイニングを見る。写真右手のパティオとの間に設けた造作カウンターは、夫人が始めたお菓子作り教室の際も重宝しているそう。写真右手奥まで続く廊下は、風を通し奥行きを出す効果も。隣に建つ母親世帯の気配も感じられる
 

家中見渡せ居心地良く
 

Sさん宅
RC造/自由設計/家族3人
Sさん宅は本島中部の住宅街の一角、細長い変形地に建つ平屋。南北で公私を分けた室内の中央に設けたのが、夫人こだわりのキッチンだ。

料理やお菓子作りが好きで「いずれは教室も開きたい」との夫人のリクエストに応えたキッチンは広々。壁際には棚を造り付け、たくさんのお気に入りの家電がいつでも使えるようスタンバイしている。「粉モノも扱えるようコンセントは側面に」など、こだわりのカウンターも設けた。

「クッキーを作ったり、テレビを見たり、お茶をするのもココ。目の前のパティオから空が見えて気持ちいいし、誰かが帰ってきてもすぐに分かる。1日の大半をキッチンで過ごすから、自然とみんなココに集まってくるんです」と声を弾ませる。


ダイニングから左奥のリビング方面を見る。斜めに視線を抜くことで、実際以上の面積を感じさせる空間となっている


リビングからキッチン方向を見る。小上がりの畳間には、カウンターも設置されている

キッチンから家事室、水回りまで一直線につながる動線や使い勝手のいい収納も、夫人が気に入っている点の一つ。パントリー以外は、玄関のシューズクローゼットも北側の廊下兼収納も扉を無くし「取り出しやすくて片付けやすく」。家事室には「趣味の裁縫をいつでも楽しめるように」と専用の裁縫台も設けた。

愛犬専用スペースも
家造りに取り組んだのは、「息子が幼稚園に上がる前に家を作りたい」と考えたから。敷地はSさんの地元で購入。設計は、「アーチや漆喰づかいなど、建てたいイメージそのもの」のデザインを手掛ける建築士に依頼した。

敷地が広かったため、Sさん宅の北側には母親宅も建築。ステンドグラスや照明など、インテリアは基本的に夫人好みでまとめられているものの、リビングにはSさんこだわりのテレビやソファが鎮座する。「寝転がって野球を見たり、子どもが遊んだり」、小上がりの畳間が重宝している。

愛犬のきーこにとっても居心地よく」と、床は滑りにくく傷つきにくい建材を使用。リビングの南側には、家の中も駐車場も見えて風通しのいいドッグルームも設けた。

住み始めて7カ月余。「プラン中からイメージが膨らんでいたので、引っ越してすぐにアイシングクッキーの講師資格を取り、教室も始めました!」と夫人。キッチンから楽しみが広がる住まいは、夢実現も後押しした。


アーチ部分がドッグルーム。十字にくりぬいた扉で、家族も犬も互いの気配が感じられ安心。上部の棚には犬のおもちゃやお出かけ用の服などが収められている

ここがポイント
DK中心&廊下兼収納で使いやすく
Sさん宅が建つのは道路と隣家に挟まれた南北に細長い変形地。家づくりにあたっては、プライバシーを確保しつつ光と風を取り入れるため、敷地中央にパティオを設けたコートハウスとすることに。室内は夫人が希望するオープンなキッチンを軸に、南北で公私を分けた。

設計を手掛けた末松渚さんは、「キッチンダイニングを中央に据えたことで、家中が見渡せ、居ながらにして家族の気配が感じられるだけでなく、実面積以上の広がりも感じられる空間に。各部屋へもアクセスしやすくなっています」と説明する。キッチン、家事室、水回りは、一直線につなげ回遊性も持たせたことで動線がコンパクトにまとまり、使い勝手良く。また趣味の裁縫を楽しみたいとのリクエストから、キッチンダイニングのすぐ隣には専用の裁縫台を設置。道具類を出しっぱなしにしていても気にならない。


裁縫台。隣の家事スペースと分けたことで、道具類を出しっぱなしにしていても気にならない。ピンクの壁とステンドグラスで気分も上がる空間に!

収納の扉をなくした点もポイントだ。物の出し入れがしやすいので片付けもラク。「ロールスクリーンを取り付ければ、普段は換気も兼ねて開け放し来客時はサッと隠せる。扉の造作がない分、コストも減らせます」。


北側にまとめた廊下兼家族の収納。廊下に向け扉をなくしたことで換気や掃除もしやすい

注目したいのが、家族の収納を北側にまとめ、廊下に向けた点。「個室内の好きな場所に家具がおけ、使い方の自由度がアップ。個室に家族の荷物が置きっぱなしになることもないので、子ども部屋やゲストルーム、趣味室など、柔軟に使い続けられますよ」と末松さん。コンパクトな動線と収納の工夫で、先々まで暮らしやすい住まいとなった。


廊下途中に設けた洗面台。右手扉の先は脱衣所


玄関。シューズクローゼットの隣には「来客も使いやすいように」と手洗い場とトイレを設けた。タイルやステンドグラスを取り入れ見せる空間に。アーチ型の間仕切り壁で、緩やかにスペースを区切っている


外観。向かって右手下の小窓の向こうが愛犬きーこのスペース。「留守番中も外が見えて退屈せず、夫妻が帰ってきたらすぐ分かる」と末松さん​

[DATA]
家族構成 :夫婦、子ども1人、愛犬
敷地面積 :242.19平方メートル(約74坪)
1階床面積:110.63平方メートル(約33.5坪)
建ぺい率 :47.17%(許容70%)
容 積 率:45.68%(許容400%)
用途地域 :未指定
躯体構造 :鉄筋コンクリート造壁式構造
設  計 :(有)武一建設 末松渚
施  工 :(有)武一建設


[問い合わせ先]
(有)武一建設
098‐965‐3001
 http://takeichikensetsu.com


撮影/比嘉秀明 編集/徳正美
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1714号・2018年11月9日紙面から掲載

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