家族の顔が見える家|Arms DESIGN(アームスデザイン)|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

お住まい拝見

2016年7月8日更新

家族の顔が見える家|Arms DESIGN(アームスデザイン)

沖縄県本島中部、北谷町の小学校の目の前に2世帯住宅を建てたOさん(35)。外からの視線は遮りつつ、室内はワンルームのように開放的な造り。家族に目が届く安心の住まいだ。

小学校の目の前に2世帯住宅

Oさん宅/RC造/自由設計/家族4人   


Oさん世帯のLDK。対面式のキッチンは、手元を隠しつつ家中が見渡せる。右奥は子ども室。引き戸を開け放てばLDKとひと続きになりワンルームのよう。

 

個室は最小限 LDK重視

古くなった実家を、2世帯住宅と父親が経営する会社の事務所に建て替えた。1階が事務所で、2階が親世帯、3階がOさん世帯だ。
両世帯とも基本的な間取りは同じ。「家族の顔が見える暮らし」を重視し、個室は最小限にした。Oさんは「子ども室も寝室も、ベッドさえ置ければ十分」と、家族が集う場所に面積を割くことを選んだ。LDKは畳間を合わせて約13坪。床の高さがそろい、広々としたワンルームのよう。

その中央に陣取るのは対面式のアイランドキッチン。玄関側からもリビング側からも出入りできる。
小学3年の長男と幼稚園の次男、やんちゃ盛りの息子がいるOさん宅で夫人のいるキッチンは〝司令塔〟だ。「料理をしながらも子どもの動きが常に見えて安心」と夫人(33)。

キッチンに付随するL字型のカウンターはOさんの父親の手作り。個室に机がないため、子どもの勉強机になり、Oさんの書斎にもなる。「晩酌時にはバーに早変わり。おやじの力作が重宝しています」。
 

テラスにカメ部屋

テラスに出れば、ペットの陸ガメ「ニライ」君が顔をのぞかせる。専用の部屋でエサを食む姿を、畳間から子どもたちが見つめる。

マリンスポーツも趣味のOさん。息子たちと近くの海で遊んだあとは、1階の門扉前にあるシャワースペースで砂を落としてから室内へ。ペットや趣味など「いろいろ要望があり、建築士探しに苦労した」と話す。あちこち事務所を回り「フィーリングがあった」建築士に依頼した。

設計が始まってからはスムーズだった。「要・不要をはっきり伝えたし、2世帯とも同じ造りにしたのが良かったかも」。2世帯同じ造りと言えど、建材の色や、調度品で雰囲気はガラッと変わる。「それぞれの暮らしの色が出ている」と夫人。
息子たちは週末ごとに親世帯に泊まる。会社のテラスで宿題をすることも。「皆で子育てしている感じ。子どもにも、私にもすごく良い環境です」。夫人の笑顔が、満足度の高さを物語っている。


3階Oさん世帯のキッチン。右奥には洗面脱衣所への出入り口がある。バスルーム、洗面脱衣所、物干し場、ウオークインクロゼット、夫婦の寝室までつながっており効率的に家事がこなせる


3階テラスには、ペットの陸ガメ「ニライ君」の部屋がある。60センチほどの深さがあり、そこに土を敷きエサとなる草を植えている。テラス部分はウッドデッキが張られているが、その下にも同様に60センチほどの空間があり、アウトドア用品などを収納している


2階、親世帯のLDK。リビングは一面畳間で、ほぼ同じ間取りのOさん宅とは雰囲気が違う。人が集まることも多く、広々としたワンルーム的な造りが重宝しているとOさんの母


1階は親世帯が経営する会社の事務所。3階の左側にはニライ君の笑顔の模様が入っている。この内側がニライ君の部屋


1階事務所のそば、門扉の中には海が好きなOさんの要望でシャワールームを設けた。近くの海で遊んだ後はここで砂を流す


事務所のテラス。花ブロックで駐車場との間を緩く仕切っている。長男の友だちがここに集まって宿題をすることもある
 


ここがポイント
逆スラブで空間生む

南側の真正面に小学校があるOさん宅。設計したアームスデザインの担当者は、「開口部を設けながらも、外からの目線を遮る」方法に苦慮した。

住まいは2、3階にあることから見上げる目線への対処として、長方形のアルミルーバーを横に寝かせて設置することで奥行きを取り、道路側から見通しにくいようにした。設置の間隔も調整し、目隠ししつつ採光と通風を確保した。
南側のテラスは約2メートルの奥行きを取り、外との緩衝空間としての役目も持たせている。
北側の物干し場側にも開口部を設けたことで、南から入った風が熱気を北へ押し出す。
また、カメの飼育スペースを設けるために用いた「逆スラブ工法」もポイントだ。
通常、ラーメン構造では梁の上に床(下の階から見ると天井)を乗せるのが一般的だが、同工法では梁に床を吊り下げる形で設置する。

Oさん宅ではテラス部分だけ逆スラブ工法にした=下図。出来た深さ60センチの凹部分は、カメの部屋だけでなく床下収納としても活用。さらに、「床で梁が隠れるので、外観もスッキリする」。直線が織り成すOさん宅の美観を守る役目も果たしている。



[DATA]
家族構成:(2階)父、母、妹 (3階)夫婦、子ども2人
敷地面積:201.11㎡(約60.83坪)
1階床面積:97.16㎡(約29.39坪)
2階床面積:99.15㎡(約29.99坪)
3階床面積:93.73㎡(約28.35坪)
建ぺい率:53.31%(許容60%)
容積率:129.76%(許容200%)
用途地域:第一種住居地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造ラーメン構造
設 計:Arms DESIGN
施 工:(有)友建産業
電 気:神谷電設
水 道:(有)共和設備

[設計・問い合わせ先]
Arms DESIGN(アームス デザイン)  
098・988・4242
 www.arms-okinawa.com
写真/矢嶋健吾撮影
編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1592号・2016年7月8日紙面から掲載
 

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

これまでに書いた記事:229

編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

TOPへ戻る