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2018年5月18日更新

積み立てと情報収集がカギ|岡田流!現代人のマネー術[2]

文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)

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今からできる進学費用の準備

子育て世代が抱える進学費用の悩みは、積み立ての「時期が遅れた」「金額が少なかった」「なんとなく学資保険で200万円積み立てたが足りない」など計画不足が大きな要因です。本来は出産前にファイナンシャルプランナーと一緒に生活・教育・住宅・老後のバランスを考えたマネープランを立てたいもの。しかし、既に子育て中の方が今からできることとして、①新しい積み立て計画を立て少しでも多くためる②徹底的な情報収集、の二つがあります。
「情報を制する者は世界を制す」と言われるように、現代は経済力以上に情報力が求められる時代。知らなった、聞いてない、間に合わなかったという理由で進路を狭めないよう、しっかりと調べましょう。


入学前納入金は現金で

集める情報は「お金が必要な時期と金額」と「受け取れるお金の種類(奨学金)」です。
奨学金の支給は入学前納入金(入学金、前期授業料など)の支払いに間に合わないということは意外と知られていない事実です。入学金や前期授業料の支払いは合格発表直後(卒業前)ですが、奨学金の支給は大学入学の4月以降。「奨学金を利用する予定」で、現金準備の足りない方は早急に対策を打ちましょう。
具体的には「高3の夏以降に必要な現金のリスト化と準備(入学金と授業料の金額と納入期限)」と「現金で用意できない場合は教育ローンや他の対策を早めに講じる」こと。希望校に合格しても「初年度納入金を払えない→入学できない→奨学金が受け取れない」という悲しい連鎖を起こさぬよう注意深く準備しましょう。



独自給付や減免制度も

奨学金もさまざまです。
【貸与型奨学金】貸与型と給付型の2種類。よく知られる日本学生支援機構の貸与型は卒業後に返済義務がありますが、給付型は「もらえるお金」なので返済義務がありません。
【大学独自の給付型奨学金】多くの大学で独自の給付型奨学金の制度があり、県内の国立、県立、私立大学にもさまざまな給付型奨学金があります。正確な情報は各大学の事務局に直接問い合わせを。
【国公立大学の「減免」制度】基準を満たす学生には授業料が全額もしくは半額免除になる制度です。国公立大学の学費は4年間で240万円を超えます=下表。志望校選びの段階から情報を集めることが大切。経済面と成績条件など詳細確認もお忘れなく。





成績向上は親子で

奨学金や減免の適応には成績面の条件もあるので、高校在学中の学業成績を常に良い状態に保ち、小論文の力を高める必要性を早い段階で子どもに伝えてください。そして、家族で協力して取り組むこと。これはお金の積み立て、情報収集と同レベルで重要な対策です。成績は日々の努力の蓄積。高校入学の早期から取り組むことで可能性が広がります。子どもにとっては、自力でチャンスを勝ち取る大きな成功体験となるでしょう。
資金不足を理由に進学をあきらめたり教育ローンや奨学金(貸与型)に頼る前に、高3の夏休みまでに少しでもお金をため、しっかり情報を集めて可能性を広げる努力をしましょう。




執筆者
岡田有里(おかだ・ゆり)
ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「岡田流!現代人のマネー術」
第1689号・2018年5月18日紙面から掲載

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